プレゼントをあげたのにお返しがない・・・。
お祝い・バレンタインデーのチョコ・誕生日プレゼントなど、
相手からお返しがないのはなぜ?
世の中で言う「返報性の原理」が働かない理由を神経経済学から解明!
お返しをしない人
よく恋愛などの定番の心理学で「返報性の原理」というのがあります。
人から何かをもらった時に「お返しをしないと申し訳ない」という気持ちになる心理のこと。
この「返報性の原理」を利用して、相手に色々とプレゼントをあげたり、好意を示すことで好きな異性を落とすみたいなテクニックとして知られています。
誕生日プレゼントをあげた、チョコレートをあげた、でもお礼がない!
そういった話は時代が変わっても相変わらず話題になる話ですよね。
男性
誕生日プレゼントあげたのにお返しもないのか!
女性
バレンタインのチョコレートあげたのに、ホワイトデーのお返しがない!
お返しありきで相手に何かをあげるのもどうかと思いますが、お返しがないケースというのは一定数必ず発生します。
ここに注意!
プレゼントしてもお返しもお礼もない人というのは一定数います。
ただし、明らかに相手が高飛車な人とか、礼儀知らずな奴とか、貰って当たり前みたいな態度をする人の話はしません。
ここからの話は、そんなそぶりを見せない普通の人、別に悪い人でもなく、お礼をしないようには見えない人の中に、なぜか一定数いる、お返しをしない人の話です。
なぜお返しをしないのか?
プレゼントを与えた方としては「どうしてお返しがないんだ!」と思うのも仕方ないです。
確かにその気持ちわかります。せっかくあげたのに・・・。
最初に触れましたが、お返しをしない人というのは一定の割合でいます。
難しい言葉で「無条件返礼主義者」と言います。
ある実験によれば、全体の5%くらいは「何かを貰ってもお返しをしない人」がいると言われています。
実際に行われた実験があるので簡単にご紹介
信頼ゲーム
- ゲームの参加者は全員が赤の他人
- お互いのことが分からないようにそれぞれ個室にいる
- 全員10ドルを貰い、相手に好きな金額をプレゼントする
プレゼントすると、送金金額が3倍になり相手に届きます。
この時に、お金をもらった人がどれくらいお礼として返金するのかを調べる。
たとえば
10ドル全額プレゼントすると、30ドルになって相手の手元に渡ります。
その30ドルを貰ったゲームの参加者は相手にいくら返すでしょうか?
元々持っていた10ドルと併せると40ドルになるわけですから、ちょっとくらいお返しをしてもいいように思えますよね?
この実験で分かったことは「全くお返しをしない」という人が全体の5%いたという事です。
この実験では、全く知らない相手&顔を合わせることもない状況だったので、高い割合が出ているかもしれません。しかし「全くお返しをしない人が居る」というのは知っておいた方が良い事実なのかもしれません。
ここからが本題ですが、どうして「全くお返しをしない人」がいるのでしょうか。
彼らの頭の中はどのようになっているのでしょうか?
実は「人にお返しをしたり、気前が良くなるホルモン」があります。
そのホルモンは「オキシトシン(幸せホルモン)」と呼ばれています。
人は、誰かに良くしてもらうと「オキシトシン」の濃度が高まります。この「オキシトシン」が相手にお礼をしたいという気持ちを高めるのです。
ココがポイント
実は「全くお返しをしない人」というのは、「オキシトシン」の分泌反応が鈍かったり、機能していないことが分かったのです。
「お返しをする人か・しない人か」を分ける重要な「オキシトシン」ですが、ある条件に当てはまる人は、上手く分泌されないことが分かっています。
どんな条件の人が「お返しをしない人」になる可能性があるのかを順番に見ていきます!
ストレスで「オキシトシン」の分泌が妨害されている
気前の良くなる「オキシトシン」は、ストレスによって分泌を抑えられてしまいます。
ココに注意
大きなストレスではなく、満員電車のストレス、将来への漠然とした不安、仕事上の悩みを抱えていたりすることも、すべて該当します。
今の時代に生活する人は、ほぼ例外なくストレスを浴びながら生活しています。
あなたが「この人、お返しをしてくれないな・・」と思ったら、相手が普段の生活でストレスを抱えている可能性があります。
「相手への気遣い・お返しをする精神」を破壊するのに、過度のストレスは要りません。
例えば、あなたが学校の授業や仕事に遅刻しそうになった時に、道で倒れているホームレスをいちいち気にしたりしないように・・・。
さらに詳しく
ストレスと言うと「急性的なストレス」「慢性的なストレス」があります。
・急性的なストレスは、夫婦げんかをしたとか、恋人に振られたなど。
・慢性的なストレスは、現代に生きる私たちが感じているストレスです。
このどちらのストレスも「オキシトシン」の分泌を阻害して「お返しをしない人」を作り出す可能性があります。
あなたのプレゼントのお返しをしない人は、急なストレスに晒されているか、普段の生活でストレスを感じ続けているのかを少し考えてみては?
あなたがストレスになっている可能性だってありますよ・・。
もともと「オキシトシン」が上手く分泌されない
「お返しをしない人」というのは、ストレスで生み出されるだけではありません。
世の中には、遺伝的に、もしくは幼少期の環境のせいで、お返しをしない人に育ってしまう人もいます。
遺伝的な話は、しょうがないので置いておきます。
幼少期の頃に虐待をされたり、親の愛を知らずに育つと、おおよそ「オキシトシン(幸せホルモン)」の分泌に悪い影響を残します。
例えば・・
虐待されて育った女性は、極端に相手を信頼してお返しをしてくれる人になるか、まったくお返しをしない人になるという研究結果もあります。
また、幼少時に母親との触れ合いがないと、その後の生活で「オキシトシン」が分泌されにくくなることが分かっています。
ココに注意
幼少期の育った環境次第では、お返しをしない人になる可能性があるということです。現代では母親との触れ合いを経験せずに過ごす子どもが多いため、将来的にはお返しをしない人というのは当たり前の社会になるかもしれませんね・・。
番外編:大学で○○学部だった人
ちなみに、最初に2つと言いましたが、相手にお返しをしないような人は他にもいます。
特に面白いのが、大学で○○学部だった人は、他の学部で勉強した人よりも人を信頼したり、気前よく行動する割合が減ることが分かっています。
相手を信頼しなくなる学部
アメリカのコーネル大学で調査された内容によると、大学の経済学部で勉強している人は、学年が上がるにつれて、相手を信頼したり、寛容な行動を取ることが減るそうです。
ちなみに、他の学部や学問分野では全くそんなことはないそう。
さらに詳しく
経済学というのは、基本的に超合理的に行動することが正義として教えられるので、信頼・道徳観とは無縁の考えが身についていくからだと思われます。
ちなみに
経済学部以外でも、職業によって「相手への気遣い」みたいなものが無くなる人もいます。
例えば、弁護士、医療従事者、消防、警察、企業の経営責任者など。
どれも、常に大きなストレスを抱えているような職種ですが、そもそも「相手への気遣い」をしていては仕事になりません。
医者が「相手への気遣い」をしていては手術も出来ません。
ココがポイント
世間的に高収入と言われる職業などは「お返しをしない人」になる可能性があります。地位や職種により、自然と「お返しをしない人」になってしまう可能性があるというわけですね。
「お返しをしない人」は結構いる
「お返しをしない人」を神経経済学の視点で見てきました。
「お返しをしない人」なんて普通にいる!
ちょっとしたストレスで、相手への気前の良さに繋がる「オキシトシン」の分泌が阻害されてしまいます。
注意ポイント
「あの人、お返しをしてくれないな・・」と思っている傍ら、あなた自身も「お返しをしない人」になっている可能性だってあります。
「お返しをしない人」というのは、相手への気遣いが出来ない状況になるわけですから、もちろん本人が気づいていないなんて普通にあります。
相手からのお返しを気にしているばかり、あなたが「お返しをしない人」になっていませんか?