ミクロ経済学

【経済学は意味ない?無駄?】その考えが7割だけ正しい理由

2018年11月11日

「経済学」が意味ないとか無駄とか思うあなたは、間違っていません。

ただし、間違っていないのは7割です

残り3割は間違いです。その3割の間違いは「経済学への見方」が間違っているから引き起こります。なぜ「経済学が意味がなく無駄だと思うのか」その考えの正しさと誤りを解剖します。

「経済学は意味がない」と思うことの正しさ

 

まずは、経済学が無駄だと思う事が正しい理由を書いていきます。

 

大学生

大学で経済学勉強してるけど、意味なくね・・?

経済学に興味を持った

経済学って役に立つのかな・・?

 

こうした疑問は昔からずっとあります

そして、よくある「経済学が意味ないと思う理由」はこんな感じ。

経済学が意味ないと思う理由

  • 数式が多いけど、意味あんの?
  • 現実に即していない
  • 経済学を使う場面なんてない

 

これらの疑問や意見は全て正しいです。

あくまで私個人の意見ですが、綺麗ごと抜きでまじめに書いています。

 

① 数式が多いけど意味があるのか?

 

経済学を勉強すると変な数式がたくさん出てくるかと思います

「経済学に数式がたくさん出てくるけど意味があるのか問題」については、2つの話が重要になってきます。

 

(1) なぜ経済学に数式がでてくるのか?

 

経済学に「意味があるのかよく分からない数式」が出てくるのには大きな理由があります。

 

ポイント

それは経済学者(教授)が抱いている夢です。

 

北国宗太郎
経済学者の夢・・・?

 

もともと経済学は「曖昧で抽象的な学問」というイメージが持たれていますよね?

ココがポイント

なので多くの経済学者は「物理とかみたいに、どの時代でも通用する理論を作ってやる!」という夢を抱いています。

 

この夢を叶えるために経済学者はどうするか?物理(自然科学)みたいに数式を使って自分の理論を説明すれば良い

この経済学者の夢こそ、皆さんを苦しめている「経済学に数式がたくさん出てくるけど今あるの?」という疑問につながります。

 

(2) その数式は正しいのか?

 

経済学に数式がたくさん出てくる理由は分かったかと思いますが、果たしてその数式は正しいのでしょうか?

「経済」という漠然としたものを数式で表現しようとすると、必ず問題にぶつかります

それは「条件が多すぎる」ということです。条件が多すぎるので、あれもこれも考慮して数式を組まないといけません。

 

北国宗太郎
たしかに面倒だね
ここで経済学者は思いつきます。
牛さん

 

経済学者

条件を簡単にしよう!影響が少ないものは無視しよう!

 

経済学ではよくある話ですが、前提条件がメッチャ簡単になっている事があります

これは、簡単にしないと数式で表現できなくなるからです。

 

例えば

労働力を”L”とする」という条件があったとします。

経済学では「資本を"K"とする」というように、ある項目を一つの文字に置き換えることが良くあります。※”L”は英語の”Labor(労働)”・”K”はドイツ語の”Kapital(資本)”の頭文字

 

文字に置き換えるのは「数式で表現するため」ですが、この例を少し考えてみてください。

「労働力を"L"とする」とザックリした前提条件を置いていますが、性別年齢などによって質が異なる労働をすべてを「L」とおいて大丈夫ですか?

 

北国宗太郎
大丈夫なのかって言われても・・
自信をもって大丈夫って言いづらいよね
牛さん

 

ココに注意

経済学で登場する数式は「前提条件が簡単になり過ぎて、現実の経済活動を表しきれていない可能性」がある。

 

これこそ皆さんが「経済学って意味あんの?」と思う原因に繋がります。つまり、経済学って現実に即していないのでは?という話

 

② 現実に即(そく)しているのか

 

「経済学は現実的ではない」とか「机上の空論」と言われるのも理由があり、経済学に数式がたくさん出てくる話と関係しています

最初に書いた「経済学者の夢」というの思い出してください。

 

メモ

経済学者は物理みたいに時代を超えた理論を作りたがっている!

 

そのために数式を使って理論を説明するんだけど・・・。

それこそが「経済学が現実に即していない机上の空論」と言われる原因です。

 

ココがダメ

一部の経済学者は、現実の経済活動を考えずに、きれいな理論を作るために都合のいい前提で数式を作っている

 

北国宗太郎
「綺麗な理論が作れればいい」って人もいるんだ・・
学者と言ってもピンキリだよ。自己満足で理論を作っている人もいるからね
牛さん

 

経済学者の一部には、目的と手段が逆転している人が居ます。

経済を分析したりするために理論をつくるはずなのに、きれいな理論を作るために現実を無視するという話はちょくちょくあります。

一部の経済学者の自己満足やエゴのせいで「経済学は意味がない・無駄」と思われる原因になっています。

 

③ 経済学を使う場面がない

 

数式が多かったり、理論が現実に即していないなどの話がある一方で・・

そもそも経済学を使う場面なんてあるのか?」という指摘もあります。

 

(1)「経済学を使う」という視点が重要視されていない

 

上でも書いた通り「経済学を使う場面なんてない」と思う人も多いかと思います。

その指摘は、7割正しいです。

 

なぜなら・・

経済学者は「理論を現実でどのように使うのか」という事に重点を置いていないからです。

 

参考

先ほどまでに書いた通り、経済学には「①数式が多い」「②現実に即していない」などの指摘が入りますが、その原因は「経済学者の夢」でした。

 

そして「経済学を使う場面が全然ない」というのもこの夢に要因があります。

経済学者の夢は「物理学のような美しい理論を作ること」でした。

 

ポイント

経済学者は綺麗な理論を作って分析してそこで満足してしまっている。現実の世界に経済学をどのように応用するのかという話があまりなされていない。

 

こうした現実が「経済学を使う場面がない」という指摘へ繋がっていると私は考えています

更に、この話はこれだけではありません。経済学を使う場面がないという話はもっと大きな問題がはらんでいます。

 

(2) 本当は使う場面はあるが・・

 

「経済学を使う場面がない」という話にはもう一つの問題があります。

それは「そもそも経済学を使おうとしていない」という点です。

使う場面があるない以前に、そもそも経済学を使って問題の解決をしようという発想なんてほぼ誰にもありません。

 

例えば

消費税の軽減税率が問題になったことがありますよね?

この軽減税率、財政の分野では経済に悪影響が出ると昔から言われています。それでは、この話に基づてい軽減税率に反対した人はどれ位いるでしょうか?

  • 政治家は、そのようなことは考慮しません。
  • 軽減税率反対を掲げたマスメディアはいたでしょうか?「持ち帰りは8%で店内で食べると10%です。分かりづらいですね~(笑)」

 

本来ならば、国の政策などは経済学を使う場面なんて腐るほどあるはずなんです。

経済学を使って政策を分析して批判したり賛成したりする政治家もメディアもいません。なので「経済学を使う場面がない」という話は日本国内では当たり前なのです。

 

グーグルではGoogleアドワーズというサービスでゲーム理論を用いるなど、積極的に経済学の理論を応用する企業もあります (特にネット企業に多いイメージ。グーグルは「オークション理論」を用いて広告の出稿枠を販売しています)。

 

(3) マクロ経済学とか自分には関係ない

 

「経済学を使う場面なんてない」という話は、この話にも関係してきます。

マクロ経済学って自分が使う事なんてなくね?

マクロ経済学というのは、国などの大きな経済を分析する分野。経済学と言った場合、大きくミクロ経済学とマクロ経済学に分かれます。

 

ここでいきなりですが、みなさんは「経済」という言葉の語源を知っていますか?

經世濟民(けいせいさいみん、経世済民)は、中国の古典に登場する語で、文字通りに「世を經おさ民を濟すく」の意。

引用元(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B5%8C%E4%B8%96%E6%B8%88%E6%B0%91)

 

北国宗太郎
「経世済民」という言葉の略なんだね
有名な話です。
牛さん

 

つまり

「経済」という言葉には「政治・統治・行政一般」などの意味合いが含まれているのです。

「經世濟民(經濟)の學」は今日でいう経済学のみならず政治学・政策学・社会学などきわめて広範な領域をカバーするものであった。

 

あなたが国などの経済運営を担うような仕事をしないのならば、元々の意味の経済学など使う機会はあまりないのは当たり前と言えそうです。

マクロ経済学のような国レベルの経済を分析する分野は、なおさら使う場面が限られているのかもしれません。

「経済学は意味ない・無駄」の間違い

Adam Smith (16 June 1723 - 17 July 1790 ) was a Scottish economist, philosopher and author as well as a moral philosopher, a pioneer of political economy.
Original edition from my own archives
Source : Illustriertes Konversations Lexikon 1878

 

ここまで「経済学が意味ない・無駄」は正しいという話をしてきました。

ここからは「その考えの間違い」を話していきます

「経済学が意味ない」という話の7割が正しいと思っています。しかし、一概にはそうは言えない、残り3割こそ私は重要だと思っています。

 

経済学は社会科学である

そもそもの間違いというのは「経済学で物理みたいな理論を作ろう」としているところから始まります。

 

「物理みたいにどの時代でも普遍的な理論」なんて経済学では作れません

なぜなら経済学は社会科学だからです。

 

ココがポイント

人々の行動や経済行動は、時代によって変わる!

 

人々が営む経済活動が全ての時代で同じだなんてありえません。

 

たとえば・・

昔なら、地元の商店で買い物をして、少し前ならショッピングセンターで買い物、今ならAmazonなどのネット通販を利用します。

 

ポイント

つまり、経済学は時代によって正しい理論が存在するものです。ある時代では正しい理論でも、今は間違っている経済理論だってあります。

このような当たり前の認識(※私は当たり前だと思っています)を理解して、初めて経済学が意味があるとか、無駄とかの話ができます。

 

経済学に意味がある瞬間

経済学に意味があるか?と疑問に思った人の多くは、意味がない・無駄という言葉を「役に立たない」というニュアンスで使っている事でしょう。

なので、あなたが経済学を勉強して役に立つこと(意味があること・無駄じゃないこと)を話していきます

 

(1) 効率的な思考・お金の知識に触れられる

 

経済学に意味があるかと考えた場合、効率的な思考に触れられるという点ですごく意味があります

 

ポイント

従来の経済学は「無駄なものは排除、徹底的な経済効率性」を求めています。大学で4年間経済学を勉強すれば、経済学が考える効率性に嫌でも触れることになりますよ。

身につくのかはあなた次第ですが。

 

学校を卒業したら

多くの人は、学校を卒業して働くことになるかと思います。

その過程で必ずと言っていいほど業務改善、効率化を行う事態に遭遇するでしょう。そうした現実社会で必要な思考プロセスの下地作りには悪くありません。

 

また、ビジネスマンたるものお金の知識があることは必須です。経済学ではお金の存在は切っても切れません。こちらも嫌でも触れる機会があるでしょう。

お金の知識(マネーリテラシー)がない人は社会では食い物にされます。

 

(2) 現実を見極める思考力

 

(1)は誰にでも言えるそれっぽいことを紹介しました。

ここからは、私が「経済学を学んで本当に意味があること」を話していきます。

 

重要

さきほどまで「経済学は現実に即していない」などと言ってきましたが、100%がそうというわけではありません。

みなさんが経済学を勉強すると、今の現実には即さない理論と、今でも通用しそうな理論などが混在しています。

 

この経済学の現状は皆さんにとってはすごく役に立つ環境なんです。

例えば

学生

この理論ってなんだかおかしい気がするけど、なんでだろう

 

これと似た状況が長い人生でも必ず引き起ります。(特に仕事をすると)

今の状態に問題がある。どこに原因があるんだろう。

 

経済学を勉強していて「この話は問題がありそう。ここが今の時代とは違う。もっとこうした方が現実的だ」などと思考の訓練すると、将来的にかなり役に立ちます

 

これこそが、特に学生が経済学を勉強することのメリットだと私は考えています

このような訓練は、おじさんになってからやるとすごく苦しいです・・汗。

 

この状況というのは悲しい限りですが、他の学問では中々見られないものです。

学習する理論が時代遅れで間違っている可能性がメッチャあるなんて他の主流な学問であるでしょうか

 

これは「経済」というものが、人々の価値観や時代によって大きく形を変えるから起きる現象です。ぜひ、時代の変化をとらえる目を養うのに役立ててください

経済学は意味があるのか?無駄か?総括

 

「経済学は意味がない・無駄」という話は7割が正しいです。一部の経済学者のエゴで、美しい理論を作ることが目的となってしまったことが大きな原因です。

そのせいで現実的ではない経済の話が展開されてしまっています。本当なら、もっとどう使えばいいとかを考えなければいけないのに。

 

しかし、残りの3割は間違いです。経済学にも意味はあります。一つは、経済理論を正しく理解して応用している企業・組織がいることです。

一瞬だけ紹介しましたがグーグルなどは経済学者を雇って広告サービスで経済理論を応用したアルゴリズムを作成しています。

 

日本では政治家をはじめ、経済学を使って問題解決を図るという文化が全くありません

そうした現状もあり、経済学という学問が役に立たない意味のないものと一辺倒に思われてしまっています。

これは誤解です。経済学を正しく用いれば、政策を正しく作り上げることも今以上には出来るでしょう

 

政治経済

学部名に「政治経済学部」と名称がついている大学があります。

これは経済学の元々の英語は「political economy(政治経済学)」だったからです。経済の語源であった「経世済民」と同じような意味があり、国レベルの経済を治めるための学問でした。

経済学とはそうした学問なはずなのに、日本の政治家が政策に経済学の知見を生かす気が全くないことは非常に残念です。

 

また、経済学の分野には行動経済学と言われる新しい分野もあります。

行動経済学は、経済学と心理学のハイブリッドのような学問です。マーケティングなど身近なことにも応用できそうな話があるので、ビジネスマンが好んで勉強しています。

 

こんな感じで、今までの経済学とは違って、より身近な場面で応用するための研究も進んでいます。経済学が、今以上に意味のある学問になる日は意外と近いのかもしれません。

 

これから勉強する人

これから経済学を学習する人(特に学生)は「経済理論が現実世界と乖離していないか?」に注意してみてください。疑って、現実との違いを考えて、そうしたプロセスは今後の人生で役に立つものになります

その理論自体を使う場面はほとんどありません。しかし、学習のプロセス・経済学の独特の考え方(効率性とか)は、積もり積もって糧になります。

 

この事実を認識したうえで、経済学と向き合う人には大きなメリットがある学問です。

「7割は意味がなく無駄であるけど、残り3割は間違い」。この言葉の意味がなんとなくでも伝わったなら嬉しい限りです。

 

「経済学」は、人間科学の学問です。

そのことは忘れないでくださいね?

 

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