ミクロ経済学

経済学がつまらないのは何故?おもしろい話が聞きたい!

2019年3月23日

経済学がつまらない・おもしろくない

経済学を勉強すると多くの人がぶち当たる壁「つまらない・・」。

その気持ちよくわかります。

勉強していて「・・・(んで?)」みたいな感じになりますよね・・。

そんな経済学がつまらない・面白くないと感じる理由、経済学の面白い話を紹介!

経済学がつまらないと感じるのは当たり前

 

皆さんが初めて経済学を勉強するのは、おそらく中学校か高校です。

そこで登場する内容が「経済学がつまらない・面白くない」と感じる第一歩です。

  • 神の見えざる手
  • リカードの比較優位

中学校・高校で勉強する経済学は「古典と国際貿易理論」から始まります

 

先生

市場経済は「神の見えざる手」によって導かれるように・・・

ちなみに、アダムスミスが「神の見えざる手」という言葉を用いたのは、『国富論』の冒頭(プロローグ)の1回だけです。内容は当時の植民地政策の批判がメインで市場経済の話はメインではありません。

 

北国宗太郎
おじさんになると面白く感じなくもないけどね・・
よりによってそんな古い話&内容も身近じゃないから微妙だよね・・
牛さん

 

そして・・

大学に進学したあなたは、大学の1年生(1回生)でミクロ経済学・マクロ経済学を勉強し始めます。

ミクロ経済学では、需給曲線を使った余剰分析・価格理論

マクロ経済学では、三面等価の原則・IS-LM分析

 

ここまで面白い話なし・・・

ちゃんと勉強すると面白い話と感じる人もいるかと思いますが、一般的な認識で話を進めます。

 

北国宗太郎
IS‐LM分析らへんで下向いちゃう・・
多くの人が経済学の入り口で倒れてしまうんだ
牛さん

 

中学高校では「古典・国際貿易」などから勉強が始まります。

大学に入ると「ミクロ経済学・マクロ経済学」を勉強しますが、内容が面白いとはあんまり言えないような内容です。

特に大学に入って勉強する内容は初歩の初歩です。よく言えば基礎勉強になります。それを面白がれというのは無理がある話

野球は面白くても、基礎のランニングや素振りを楽しめる人は少ないです。

パソコンが得意でも、タイピングの練習を楽しんで出来る人も少ないです。

 

ココがポイント

中学・高校・大学で勉強する経済学は、そもそも面白い話に入っていないので、あなたが「つまらない・・」と感じるのはいたって普通なのです。

 

おまけに

つまらないと何度も書いて申し訳ないのですが、なんとか経済学の勉強を続けても「さらなる壁」が出迎えています。

おもな原因は2つありますが、その解決方法もあわせて記載していきます

 

① 数学が出来ない

 

おそらく経済学が一番つまらないと感じてしまう原因で、かつ”辛い”ものとなってしまう理由です。

海外では経済学は理系学問です。日本では文系と理系の間くらいのイメージ。

 

とくに「経済数学・計量経済学」などを勉強すると、数学は付きまとってきます(このあたりが必修だときついですよね・・)。

 

ポイント

ただ、数学が出来ない人は「微分積分」さえ理解できれば、ミクロ経済学・マクロ経済学は乗り切れると思うので、数学が出来なくても大丈夫です。

 

基礎的な数学の知識がない人は、ちょっとした読み物などで知識を蓄えておきましょう!


⇒ 経済学と(経済学、ビジネスに必要な)数学がイッキにわかる!!

 

さて、数学が苦手な人は、つまらない経済学をどう対処するのかですが、やはり、歴史系とかを中心に勉強するのが無難かなと思います。

基本的に「歴史」は、人の営みそのもので、必ず経済活動が生まれます

経済史・経済思想などを中心に、日本史や世界史とからめた分野を勉強すれば、ミクロ経済学・マクロ経済学を単純に勉強するよりは楽しめるはずです。

 

経済学と言っても、ジャンルがたくさんあります。ミクロ経済学や、統計的なことを扱う分野、歴史系、公共政策系など

 

ココがポイント

数学が苦手で経済学がつまらないと感じる人は、自分が多少なりとも興味があったり、勉強していて苦痛にならない分野を中心にすると、意外と楽しかったりします。数学を全然使わない分野もたくさんあります

 

② 教授がつまらない

 

経済学の内容とかを通り越して、教えている先生がつまらないというのは良くある話です。

必修の科目として扱われていて、担当の教授が決まっていたら対処できませんが、そうではないなら対処可能です。

 

とくに大学の講義ならば、皆さんはおおよそ自由に選択することが出来るものです。それならば、その講義の評判を聞いて回って判断することだってできます

ココがポイント

あらかじめ講義の評判を集めておけば、つまらない講義に出ずに済みますし、自分が聞きやすい教授を選ぶこともできます。

 

いっそのこと、そういった講義には出ないというのも選択の一つです (サンクコスト)。

 

経済学を勉強しているなら知っているかと思いますが、お金(授業料)を支払っているからと言え、その時間で他のことをする方が唯意義なら、そっちをした方が良いです。

この時に支払ったお金を「サンクコスト(埋没費用)」として扱えばOK(おすすめはしていませんが・・)

 

また、そうした時間に経済学に関係する他の本とかを読んだりすると面白かったりします。(講義中に本を読んでも大丈夫なのかは知りませんが・・)

教授つながりで、ハーバード大学で超有名な「マイケル・サンデル」の本を紹介しておきます。


⇒ それをお金で買いますか (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

 

余談

経済学でよく登場する「需要・供給」「市場経済」の話ですが、一部で大きく間違っている部分があります。

じつは、なんでもかんでもお金でやりとりすると、必ず失敗する分野があるというのが行動経済学の実験などから分かっています。

 

具体的に言うと「人の道徳観に触れるジャンルに需給や市場原理を使うと、道徳観がぶっ壊れる」という話です。

上の本は、そうした「お金のやり取りをしてはいけない分野」を扱って、本当にそんなことをしていいのか?という話を、名物教授のマイケル・サンデルがしています。

 

北国宗太郎
自分でつまらなそうなものは回避して、面白そうなものを探すのが鉄則だね
うん、何事も自分で考えて行動しないと、経済学に限らずにつまらない時間を過ごしてしまう原因になるよ
牛さん

 

ココがポイント

事前に講義の評判を聞いたりして、つまらない教授は回避する。それでもダメなら、講義に出ない・他の面白そうな経済学の本を読むなどして対処するのがいい。

経済学のおもしろい話

 

さて、経済学のおもしろい話と書きましたが、私が好きな話を何個か紹介します。

経済学にも面白い話があるんだなーって思ってもらえば嬉しいです。

 

「公共財ゲーム」

【公共財ゲームとは?】人を罰する快感が社会を守る理由

漫画などで登場する「公共財ゲーム」 最近では「ライアーゲーム」「賭ケグルイ」などでも公共財ゲームと称したゲームが登場して ...

続きを見る

 

ミクロ経済学で登場する「フリーライダー問題

「フリーライド」は、集団の利益にタダ乗りする人という意味。よくあるのが税金を支払わずに、行政サービスはしっかりと受ける人など。

 

この「フリーライダー問題」を分析するために「公共財ゲーム」が行われます。

「公共財ゲーム」は、漫画などでたびたび登場します(例:『ライアーゲーム』『賭ケグルイ』など)。

 

ゲームの設定

  • 参加者は5人
  • 最初に1人100ドルずつ配布

みんなで税金を10ドルずつ納めます

集めた税金で、ゴミの収集を行ったり、道路を整備したりします。

「みんなの生活が便利になる」
=「集まった金額は2倍になってゲームの参加者に配られます」

 

あなたは、いくら税金を支払いますか?

どういう仕組みを作れば「ズルをせずに皆が税金を払ってくれるのか」という話から始まるんですが、最終的に人の脳の仕組みに話が落ち着きます

 

続きはこちら

【公共財ゲームとは?】人を罰する快感が社会を守る理由

 

「道徳心」VS「お金の力」

【社会規範と市場規範】お金の力で倫理観が壊れる理由

「市場に任せていれば、すべてが上手くいく」 残念ながら、市場に任せると失敗するものがあります。 私たちの”良心”を壊す、 ...

続きを見る

 

経済学では「合理性」を大切にします。

しかし、その合理性が社会をダメにすることがあります。

 

例えば?

ゴミのポイ捨てはいけない事です。(モラル的にアウト)

 

ここにお金の話を持ち込みます。

東京都で、ゴミのポイ捨てをすると罰金100円という条例が出来ました。

 

北国宗太郎
ポイ捨てが減りそうな気がする。
物事はそう簡単じゃないんだ。
牛さん

 

都民(男性)

100円払えば捨てていいんでしょ・・?

 

ポイ捨てに100円の罰金を科すと「お金を払えば捨てていい」と考える人が出てくるのです。

 

イスラエルの幼稚園

この現象がイスラエルの幼稚園で引き起りました。そこから、お金の力がどれほど強いかが分かります。⇒【社会規範と市場規範】お金の力で倫理観が壊れる理由

 

「なぜ日本が没落するか?」

【なぜ日本は没落するか】2020年オリンピック後の日本を森嶋通夫から学ぶ

森嶋通夫という経済学者を知っていますか? 日本人でノーベル経済学賞の受賞候補に上がっていたと言われるほど優秀な経済学者で ...

続きを見る

 

日本人の経済学者でノーベル経済学賞の可能性があった人物「森嶋通夫

そんな彼が、日本が没落する理由を書き記しています。


なぜ日本は没落するか (岩波現代文庫)

森嶋先生が日本が没落する理由を、経済学だけではなく社会科学全般を使って考えています。

「交響楽的社会科学」と彼は呼んでいます。

 

この本が発行されたのは1999年です。なんと1990年代後半に2050年頃を見据えて書いている内容なのですが、驚くほど、今の日本を言い表していてびっくりします

 

ポイント

第二次世界大戦中は、天皇への忠誠を誓うという価値観が、会社に忠誠を誓って働くという価値観にすり替わり、日本は高度経済成長期を乗り切る事になったのですが、それこそが、没落の理由にもつながるのです。

 

なぜ日本が中進国になるのか、大学の3~4年生(回生)あたりの人が知ると面白い話かもしれませんね!

この手の話は経済学ではない気がしますが、こうした視野の広さも重要です。

 

詳しくはこちら

【なぜ日本は没落するか】2020年オリンピック後の経済を森嶋通夫から学ぶ

 

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経済学は「人は合理的に行動する」という前提で理論が作られています。しかし、人間は感情的にもなるし、訳の分からないこともします。

そこに登場したのが行動経済学です。

 

行動経済学は、人が感情的に行動したりするという当たり前の前提を、経済学に応用しようとする分野。

最近だと、2017年にリチャード・セイラーが行動経済学の研究成果が評価されてノーベル経済学賞を受賞しました。

 

とくにこのあたりの話で面白いのは

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