経済学

【最適消費・効用最大化】求め方をグラフを使って分かりやすく

2019年10月26日

消費者理論で頻出の「最適消費効用最大化

  • 最適消費・効用最大化とは
  • 最適消費の求め方
  • 効用最大化条件・計算方法
  • 効用最大化問題の解き方

最適消費(効用最大化)を求める問題の意味が分からない人、解き方が分からなくなる人に向けて、簡単にまとめています。

最適消費と効用最大化

 

最適消費とは?

一定の予算制約のもとで、消費者の効用が最大化する消費の組合わせを最適消費(最適消費点・最適消費量・消費者均衡点)という。その最適消費を求める問題を「効用最大化問題」と呼ぶ。

※問題を解くときは、予算制約線に接する無差別曲線上の財の組合わせ(=点)を求めるため、最適消費点(消費者均衡点)という言葉で表されることが多いイメージです。

 

北国宗太郎
このジャンルの山場だね。
うん。まずは大事な前提があるから知っておこう。
牛さん

 

ポイント

ミクロ経済学では、消費者は限られた所得(予算制約)のなかで、自身の効用を最大化させるために行動すると考えています。

 

この分野では

  • 「効用関数」
  • 「無差別曲線」
  • 「予算制約線」

などが出てきましたが、これらを使って消費者の行動を分析するのが目標です。

 

最適消費点(消費者均衡点)の求め方

最適消費点・最適消費量・消費者均衡点などと言いますが、ここでは最適消費点と呼びます。

 

最適消費点を求める際に重要となる「考え方」「計算式」「計算方法」を順番に見ていきましょう。

 

考え方

① 財をたくさん消費した方が効用が高まるので、予算を全部使ってたくさん財を消費する方が効用が高くなるはず。「予算を全部使う」=「予算制約線上」

② 消費の組合わせは「無差別曲線」で表されているため「予算制約線上」にある「無差別曲線上」の消費の組合わせが一番効用が高い。「予算制約線」=「無差別曲線」

③ このとき、数学的に考えると予算制約線と無差別曲線の傾きが等しい

④ 無差別曲線の傾きは限界代替率なので「予算制約線=限界代替率」となる。

 

ポイント

最適消費点を求める時は「予算制約線=限界代替率」となる消費の組合わせを求める

 

北国宗太郎
牛さん、途中で分からなくなっちゃった・・
分からない時は、どのポイントが分かっていないかを考えよう!
牛さん

 

確認しよう!

 

グラフで見ると

 

式で考える(効用最大化条件)

 

予算制約線の式

「PxX」+「PyY」⇒ 傾き「(Px/Py)」

※予算制約線の傾きは、2財の価格比(相対価格)になっている。

 

限界代替率

限界代替率(MRS)=「(dydx)」=「MUx/MUy」

限界代替率は、2財の限界効用(MU)の比になっている。

 

2つをまとめると

 

最適消費点

「-(PxPy)」=「-(dydx)」=「MUxMUy」が成り立つ。

価格比(相対価格)=限界代替率2財の限界効用の比

※これを「効用最大化条件」と呼ぶこともある。

 

北国宗太郎
・・・・。
数式の意味が分からない人は確認しよう!
牛さん

 

確認する

予算制約線の傾きが「-(Px/Py)」になる理由が分からない人
【予算制約線】式の意味・傾きと相対価格について分かりやすく

限界代替率「-(dy/dx)」=「MUx/MUy」が分からない人
【限界代替率】求め方・計算方法を確認する

 

計算方法

 

最適消費点

「-(PxPy)」=「-(dydx)」=「MUxMUy」が成り立つ。

価格比(相対価格)=限界代替率2財の限界効用の比

 

計算問題は「最適消費点では上の式が成立する」ことを使って解いていきます。

 

よくあるパターン

  • 効用最大化が実現する最適消費点を求める
  • 効用が最大となる2財の消費の組合わせを求める
  • 消費者の最適消費計画を求める
  • 合理的な消費者だった場合の最適消費量を求める
  • ある家計の消費者均衡点を求める

最適消費点という言葉が入っていなくても、最終的に求めるものは同じです。

 

例題

次の条件のとき、最適消費点を求める

  • 効用関数「U(x, y)= x・y」
  • 所得(I)が300
  • X財の価格が10
  • Y財の価格が30

 

step
1
予算制約線の式に数字を入れる

  • 「所得(I)=(X財価格×X財消費量)+(Y財価格×Y財消費量)」

⇒「300=10x+30y」

効用関数が「U(x, y)= x・y」と与えられているので「x=X財の消費量」「y=Y財の消費量」と考える。

 

step
2
限界代替率(MRS)を求める

  • 効用関数(無差別曲線)から「傾き=限界代替率」を求めます。

 

ポイント

効用関数(無差別曲線)を微分すれば「傾き」が求められます。

 

傾きを求めるために微分をする理由

  • 効用関数(無差別曲線)は緩やかなカーブを描いているため、普通の計算では傾きを求めることは出来ません。

そのため、効用関数(無差別曲線)上に、ある特定の点に接線を引いて「接線の傾き」を求めます。微分は文字通り、グラフを細かく分けて1つの点として処理する方法なので、微分をすることで効用関数(無差別曲線)の傾きを求められます。

 

今から求めるのはコレ

 

なので

「効用関数:U=xy」を微分して傾きを求めます。

「効用関数=U(x, y)= x・y」は「U=xy」という意味です。

 

計算方法

効用関数を「y=●●x」の形にする

  • 「U=xy」から「y=U/x」とする

「y=U/x」を微分します。

 

注意ポイント

「1/x」を微分するときは注意です。通常の微分の通りに計算すると「1/1」などと計算してしまう人がいます。

「1/x」は微分すると「1/xの2乗」となります。

分数は「xの-1乗」と表記されるため「xの-2乗」とも表記できます。

 

  • 話を戻して「y=U/x」を微分します。

「y=U/x」⇒「U/xの2乗(=U・xの-2乗)」となります。

 

ここで

「U」という文字が邪魔なので、Uを「xとy」に置き換えます。

「U=xy」を「U/xの2乗」に代入します。

「U(=xy)/xの2乗」⇒xy/xの2乗」=「y/x

 

傾きはマイナスになるため「-(y/x)」とします。

グラフのまさにコレを求めたことになる

 

step
3
「予算制約線の傾き」を求める

  • [Step1]で予算制約線「300=10x+30y」と分かったので傾きを求めます。

予算制約線の傾きは「価格比(相対価格)」とも表現されます。

 

今から求めるのはコレ

 

ポイント

[Step2]で「y= U/x」とおいて限界代替率を求めたので、予算制約線の傾きも「y=●●x」の形に変形します。

 

計算すると

  • 300=10x+30y
  • 30y=-10x+300
  • y=-(1/3)x+10

傾きは「-1/3

 

step
4
「予算制約線の傾き=限界代替率」でxとyを求める

  • 予算制約線の傾き「-1/3」
  • 限界代替率「-y/x」

 

今はこの状態

 

「-1/3」=「-y/x」

① 両辺にxを掛ける

y= (1/3)x 

 

最後に

  • 予算制約線「300=10x+30y」に「y= (1/3)x 」を代入します

300=10x+30 (1/3x)
=10x+10x
=20x

x=300/20=15

 

  • 今度は予算制約線にx=15を代入して計算します

300=10×15+30y =150+30y

300-150 =30y
30y=150
y=5

 

したがって最適消費点は「x=15」「y=5」※(x, y)=(15, 5)とも表記できる。

 

北国宗太郎
これって他にも方法はないの?
あるよ。最適消費の求め方は何パターンかあるので紹介します。
牛さん

 

最適消費点を求める問題は「効用最大化問題」という言葉で表現されます。

最後に「効用最大化問題」の解法パターンを紹介して、それぞれでどんな計算方法があるのかを紹介していきます。

 

効用最大化問題の解法パターン

 

ここでは有名な解法を4つ紹介します。

順番に見ていきましょう!

 

予算制約線・限界代替率を使った解法

 

一番オーソドックスな解き方です。

「予算制約線の傾き(価格比・相対価格)」=「限界代替率」という関係を使って計算します。

 

計算方法は先ほど記載した通りです。

戻って確認してみる

確認する

 

予算制約式の代入法

 

この方法は、予算制約線を効用関数(U)に直接代入して計算する方法です。

 

先ほどの例をもとに計算をしてみます。

  • 効用関数「U(x, y)= x・y」
  • 所得(I)が300
  • X財の価格が10
  • Y財の価格が30

※予算制約線=300=10x+30y

 

予算制約線の式を「y=」の形にする

  • 30y=-10x+300 ⇒ y=-(1/3)x+10

ポイント

この予算制約線を、効用関数「U=xy」に代入します。

 

U=「x・(-(1/3)x+10)」 = 「-(1/3)xの2乗+10x」

 

この式では「y」がなくなり「x」だけの式になったため、財が1つと考えて計算できます。

 

ポイント

もともと「与えられた予算の中で、効用が最大化するような2財の消費の組合わせ」を求めていました。

この式では、財が1つの状態として計算できるので、そのまま「X財の限界効用を使って効用が最大化する消費量」を求めれば良いことになります。

 

ちなみに

「効用が最大化するような2財の消費の組み合わせ」を求めるのに、どうして限界効用が登場するのか?と疑問に思った人のために、簡単に補足です。

予算(所得や価格)に関する情報を効用関数に代入しました。

ポイント

そのため、ここでX財の限界効用を使うことで、与えられた予算の中で、一番効率的なX財の消費量が求められます

限界効用は、財を1つ追加で消化したときの効用の増加分です。

与えられた予算をもとに、X財の効用の増加分が「0」(X財の効用が最大化) になるまでX財を消費することが出来ます

※最初に予算制約線を代入しているので、あくまで予算の範囲内でX財の効率的な消費量が求まります。

 

つまり

  • 限界効用を求めるため、xで微分
  • 更に「=0」とします

U =「-(1/3)xの2乗+10x」

⇒ 「-(2/3)x +10=0」

限界効用を求めるときに微分する意味などが分からない人はこちらで確認⇒【限界効用】求め方も含めて簡単にわかりやすく

 

計算すると

  • 「-(2/3)x +10=0」⇒「2/3x =10」

両辺に(3/2)を掛ける

x=30/2=15

 

次に「x=15」を予算制約線に代入します。

予算制約線=300=10x+30y

300=10×15+30y =150+30y

300-150 =30y
30y=150
y=5

 

したがって最適消費点は「x=15」「y=5」※(x, y)=(15, 5)とも表記できる。

 

北国宗太郎
答えがさっきと同じになった。
予算制約線・限界代替率を使った解法」と計算過程が違うけど、同じ答えに辿り着けるよ。
牛さん

 

加重限界効用均等の法則

この方法は、よく試験問題を解くときに使われることが多い印象です。

 

ポイント

効用が最大化する2財の消費の組合わせでは「2財の1円当たりの限界効用が一致する性質」を使って問題を解いていきます。

 

数学的に解いていくため簡単に解くことが出来ますが、この法則をちゃんと理解できない人も多いです。(効用最大化問題は、数学的には数理計画問題に該当しており、線形計画法で解くことが出来る。)

 

※これだけで1ページ分の解説が必要になりそうなので別で解説します。

詳しくはこちら

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ラグランジュの未定乗数法

 

与えられた条件からラグランジュ関数を作って解く方法です。

 

ポイント

ラグランジュ未定乗数法は、「制約条件がある関数」の極値を求めることが出来る計算方法のことです。

最適消費点(効用最大化)の問題は、まさに「制約条件がある関数の極値」を求めていることになるので応用されます。

 

※これだけで1ページ分の解説が必要になりそうなので別で解説します。

詳しくはこちら

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