経済学

【市場の調整過程と安定】ワルラス・マーシャル・くもの巣

需要と供給が均衡するまでの過程を「調整過程」と言います。

  • ワルラス的調整過程(安定・不安定)
  • マーシャル的調整過程(安定・不安定)
  • くもの巣調整過程(収束・発散)
  • ワルラス・マーシャルの覚え方

有名な3つの調整過程をまとめて、覚え方などもまとめています。

市場の調整過程と安定性

調整過程と安定性

市場で不均衡な状態が発生した場合に、市場均衡へ調整されるプロセスを調整過程と呼ぶ。また、市場が不均衡だったときに均衡状態へ戻ることが出来るのかを安定性と言う。

 

需要曲線(D)と供給曲線(S)が交わるポイントを市場均衡点と言います。そのときの価格を均衡価格・生産量を均衡取引量と言います。

均衡点以外のところで価格と生産量が決まってしまうと不均衡となります。

 

不均衡な状態から均衡点にたどり着く過程を調整過程と呼ぶわけです。

 

北国宗太郎
どうやって均衡点にたどり着くのかな?
まずはメジャーな考え方を紹介するよ!
牛さん

 

ワルラス的調整過程(価格の自動調節機能)

ワルラス調整過程

市場で不均衡な状態(超過供給超過需要)が発生した場合に、価格を通じて市場均衡へ調整されるプロセスをワルラス調整過程と呼びます。

 

北国宗太郎
超過供給・超過需要って‥?
基本的な考え方だから押さえよう!
牛さん

 

※クリック(タップ)すれば切り替えられます↓




ケース1

  • 市場価格>均衡価格のとき

(需要曲線が右下がり・供給曲線が右上がりのとき)均衡価格よりも市場価格(P1*)の方が高いと、供給量が需要量よりも多くなるため超過供給となる。

超過供給ならば価格の下落圧力が働き、均衡価格へ近づいていく

ケース2

  • 市場価格<均衡価格のとき

(需要曲線が右下がり・供給曲線が右上がりのとき)均衡価格よりも市場価格(P2*)の方が低いと、需要量が供給量よりも多くなるため超過需要となる。

超過需要ならば価格の上昇圧力が働き、均衡価格へ近づいていく


 

ポイント

このように、超過供給・超過需要が発生したときに、価格が調節されて市場均衡点(E)へたどり着くことをワルラス調整過程と呼びます。

 

北国宗太郎
簡単で安心しました
次は安定性の話をするよ!
牛さん

 

ちなみに

(Wikipediaより)

ワルラスというのは、経済学者レオン・ワルラスのことです。「すべての経済学者の中で最も偉大」と言われています。

経済学に数学的な分析手法を導入して、一般均衡理論(※)を定式化したことで有名。

※多くの商品・サービスを含むすべての市場の価格・需給量をまとめて考える理論。完全競争市場では、すべての市場で均衡が実現する均衡点があると考えた。ワルラスは、ミクロ経済学で登場する限界効用理論を一般均衡理論に拡充しており、経済学で限界効用という考え方が広がった。経済学で限界効用という考え方が根付いた一連の出来事は限界革命と呼ばれており、限界革命を担った1人としてワルラスの名前が登場することも多い。

 

さらに詳しく

ワルラスは、どのように不均衡が調整されるのかを「オークショナー(競売人)を通して競(せ)りをするイメージ」だと考えていました。

オークショナー(競売人)が価格を提示して、それに応じて需要者が需要量・供給者が供給量をそれぞれ提示していきます

仮に不均衡なら、オークショナー(競売人)が価格を調整して再度呼びかけますこのような調整過程を得て均衡価格へ近づいていくわけです。

ワルラスはフランス生まれの経済学者なので、このような過程をフランス語を使って「タトヌマン(模索過程・Walras's Theories of Tatonnement)」と言いますが、日本ではワルラス調整過程と言っています。

 

ワルラス的安定・不安定

ワルラス安定的・不安定的

市場が不均衡だったときにワルラス調整過程を経て均衡状態へ戻ることができる状態をワルラス安定的な均衡と言う。逆に、一度均衡状態が崩れるとワルラス調整過程が実現できない状態をワルラス不安定的な均衡と言う。

 

通常の右上がりの供給曲線・右下がりの需要曲線ならば、ワルラス調整過程を得て市場均衡点へたどり着くことが出来ます。

しかし

供給曲線や需要曲線の状態によっては、ワルラス調整過程が上手く働かない場合が考えられます

 

ポイント

「市場価格>均衡価格」のとき「供給量(S)>需要量(D)」となっているとワルラス調整過程がうまく機能するワルラス安定的となる。

「市場価格>均衡価格」のとき「需要量(D)>供給量(S)」ならばワルラス不安定的となる。

 

北国宗太郎
う~ん。イマイチ分からないです
グラフを見た方が早いので見ていきましょう!
牛さん

 

※クリック(タップ)すれば切り替えられます↓




安定

  • 「市場価格>均衡価格」で供給量(S)>需要量(D)のとき

(ケース1)

(ケース2)

(ケース3)

ワルラス調整過程では、均衡価格よりも市場価格(P1*)の方が高いとき超過供給が発生しているため、価格が下落して市場均衡点へたどり着くと考えています

そのため、均衡価格>市場価格のとき「供給量(S)>需要量(D)」となっていればワルラス調整過程が働き、ワルラス安定的だと言えます。

不安定

  • 「市場価格>均衡価格」で需要量(D)>供給量(S)のとき

(ケース1)

(ケース2)

(ケース3)

通常、需要量(D)>供給量(S)ならば超過需要となっているため価格の上昇圧力が働きます。しかし、上記の3つのグラフでは、価格が上昇すると均衡点から離れていくことが分かります。

そのため、「価格が調節されて均衡点へたどり着く」というワルラス調整過程が機能しないため、上記3つのグラフの状態ではワルラス不安定的となります。


 

北国宗太郎
グラフで見て判断すると簡単。
うん。よく試験問題で登場する話だから知っておこう!
牛さん

 

さらに詳しく

ちなみにですが「需要関数の傾き=α」「供給関数の傾き=β」と考えたとき「(1/α)(1/β)」ならばワルラス安定的となります。

※傾きは「P=αD+●●」「P=βS+●●」のときのα・β

その他の調整過程

 

これまでは、価格の調節ワルラス調整過程)を経て市場が均衡状態にたどり着くと考えてきましたが、他にも2つほど考え方があるので知っておきましょう。

 

マーシャル的調整過程

マーシャル調整過程

市場で不均衡な状態が発生した場合に、生産量を通じて市場均衡へ調整されるプロセスをマーシャル調整過程と呼びます。

 

北国宗太郎
さっきと違って生産量から動くって考えるんだね。
うん。さっそく見ていこう!
牛さん

 

※クリック(タップ)すれば切り替えられます↓




ケース1

  • 市場生産量>均衡取引量のとき

(需要曲線が右下がり・供給曲線が右上がりのとき)均衡取引量よりも市場生産量(Q2*)の方が多い場合を考える。

市場生産量(Q2*)の方が多ければ生産量が減少していき均衡取引量へ近づいていく

ケース2

  • 市場生産量<均衡取引量のとき

(需要曲線が右下がり・供給曲線が右上がりのとき)均衡取引量よりも市場生産量(Q1*)の方が少ない場合を考える。

市場生産量(Q1*)の方が少なければ生産量が増加していき均衡取引量へ近づいていく


 

ポイント

このように、均衡取引量と生産量が不一致したときに、生産量が調節されて市場均衡点(E)へたどり着くことをマーシャル調整過程と呼びます。

 

北国宗太郎
ここまでは簡単だね。
うん。次は安定性の話だよ。
牛さん

 

マーシャル的安定・不安定

マーシャル安定的・不安定的

市場が不均衡だったときにマーシャル調整過程を経て均衡状態へ戻ることができる状態をマーシャル安定的な均衡と言う。逆に、一度均衡状態が崩れるとマーシャル調整過程が実現できない状態をマーシャル不安定的な均衡と言う。

 

通常の右上がりの供給曲線・右下がりの需要曲線ならば、マーシャル調整過程を得て市場均衡点へたどり着くことが出来ます。

しかし

供給曲線や需要曲線の状態によっては、マーシャル調整過程が上手く働かない場合が考えられます

 

ポイント

「市場生産量>均衡取引量」のとき「供給の高さ(価格)(S)>需要の高さ(価格)(D)」となっているとマーシャル調整過程がうまく機能するマーシャル安定的となる。

「市場生産量>均衡取引量」のとき「需要の高さ(価格)(D)>供給の高さ(価格)(S)」ならばマーシャル不安定的となる。

 

北国宗太郎
う~ん。イマイチ分からないです‥!
グラフを見た方が早いので見ていきましょう!
牛さん

 

※クリック(タップ)すれば切り替えられます↓




安定

  • 「市場生産量>均衡取引量」で供給の高さ(S)>需要の高さ(D)のとき

(ケース1)

(ケース2)

(ケース3)

マーシャル調整過程では、均衡取引量よりも市場取引量(Q2*)の方が多いとき、生産量が減少して市場均衡点へたどり着くと考えています

そのため、市場生産量>均衡取引量のとき「供給の高さ(S)>需要の高さ(D)」となっていればマーシャル調整過程が働き、マーシャル安定的だと言えます。

不安定

  • 「市場生産量>均衡取引量」で需要の高さ(D)>供給の高さ(S)のとき

(ケース1)

(ケース2)

(ケース3)

通常、需要の高さ(D)>供給の高さ(S)ならば、需要者が求める価格が高い状態なので、供給者は生産量を増加させてたくさん販売しようとする誘因が働きます。しかし、上記の3つのグラフでは、生産量が増加すると均衡点から離れていくことが分かります。

そのため、「生産量が調整されて均衡点へたどり着く」というマーシャル調整過程が機能しないため、上記3つのグラフの状態ではマーシャル不安定的となります。


 

北国宗太郎
グラフで判断できるから難しくないね。
うん。しっかりと覚えていこう!
牛さん

 

さらに詳しく

ちなみに「需要関数の傾き=α」「供給関数の傾き=β」と考えたときαβ」ならばマーシャル安定的となります。

※傾きは「P=αD+●●」「P=βS+●●」のときのα・β

くもの巣調整過程

くもの巣調整過程

市場で不均衡な状態が発生した場合に、生産量と価格を通じて市場均衡へ調整されるプロセスをくもの巣調整過程(クモの巣調整)と呼びます。

生産量の調整が長時間かかる場合に当てはまる(農作物など)。

※くもの巣理論(クモの巣理論)などとも言う。

 

北国宗太郎
グルグル・・(魔法陣グルグル)
順を追って確認していこう!(知らない事だらーけの‥)
牛さん

 

例えば

トウモロコシを栽培している農家を想像します。いま、農家はトウモロコシをQ1*の生産量で市場に供給しています。

このとき、農家が考えているよりも需要者の受け入れ価格が高いです。

そのため、市場価格はP1*で決定しました。

 

農家は「トウモロコシが高い価格で受け入れられている」ことに気づき、トウモロコシを増産することにします

トウモロコシの増産の結果、価格P1*と同じ水準になる供給曲線(Q2*)まで生産量が増加します。

このとき、農家が考えているよりも需要者の受け入れ価格が低いです。

そのため、市場価格はP2*で決定しました。

 

農家は「トウモロコシが低い価格で受け入れられている」ことに気づき、トウモロコシの減産をすることにします

トウモロコシの減産の結果、価格P2*と同じ水準になる供給曲線(Q3*)まで生産量が減少します‥。

 

北国宗太郎
こうやって、だんだん均衡点に近づくんだね。
うん。その通りです!
牛さん

このように、くもの巣のように、次第に均衡点に近くことから「くもの巣調整過程」と呼ばれます。

 

さらに詳しく

「くもの巣調整過程」が実際に起こる例

農作物が例として有名ですが、ここではアメリカの航空エンジニアを紹介します。

第二次世界大戦では数千人のエンジニアが必要でしたが、戦争が終わった1945年に多くが解雇されました

②その後、1950年代の初めから航空機メーカーのジェット旅客機開発が盛んに行われるようになります。米国のボーイング社、ロッキード社、ダグラス・エアクラフト社、コンベア社などが航空エンジニアの採用を始めました。

航空エンジニアが好待遇で採用されていたため、当時の学生が航空エンジニア職を目指して大学へ進学することになります。

しかし、彼らが大学を卒業するまでに航空エンジニアの供給が増加し続けたため、当時大学へ進学していた学生の一部は他の職種に流れ、航空エンジニア職を目指す学生も減少していきました。

③その後、1960年代にアメリカで宇宙計画が準備されると、航空エンジニアが不足していたため再び給与が上昇していきました‥。

このように、航空エンジニアが「くもの巣調整過程」に近い需給の調整が行われていることが分かります。航空エンジニアになるためには大学に通う必要があり、供給側の調整がすぐに出来ないことが原因です。

(参照元)

 

くもの巣的安定・不安定

収束・発散

市場が不均衡だったときにくもの巣調整過程を経て均衡状態へ戻ることを収束安定的と言う。逆に、くもの巣調整過程が実現できない状態を発散不安定的と言う。

 

くもの巣調整過程では、供給曲線の傾きよりも需要曲線の傾きのほうが急(小さい)ならば、均衡状態へたどり着くことが出来ます(収束・安定的)。

しかし

それ以外の状態では、くもの巣調整過程が上手く働きません(発散・不安定)

 

ポイント

絶対値で考えて「供給曲線の傾き>需要曲線の傾き」のとき、くもの巣調整過程が働いて収束していく。

絶対値で考えて「需要曲線の傾き>供給曲線の傾き」のとき、くもの巣調整過程が機能せずに発散していく。

 

北国宗太郎
う~ん。全く分からないです‥!
まずはグラフを見ていきましょう!
牛さん

 

※クリック(タップ)すれば切り替えられます↓




収束(安定)

  • 絶対値で考えて「供給曲線の傾き>需要曲線の傾き」のとき

(ケース1)

(ケース2)

(ケース3)

(ケース4)

くもの巣調整過程では、絶対値で考えて「供給曲線の傾き>需要曲線の傾き」ならば、収束して市場均衡点へたどり着きます

発散(不安定)

  • 絶対値で考えて「需要曲線の傾き>供給曲線の傾き」のとき

(ケース1)

(ケース2)

(ケース3)

(ケース4)

くもの巣調整過程では、絶対値で考えて「需要曲線の傾き>供給曲線の傾き」ならば、発散して市場均衡点から遠ざかっていく


 

北国宗太郎
グラフで判断できるから難しくないね。
うん。しっかりと覚えていこう!
牛さん

 

さらに詳しく

ちなみに「需要関数の傾き=|α|」「供給関数の傾き=|β|」と考えたとき|α|<|β|」ならばくもの巣安定的となります。

※傾きは「P=αD+●●」「P=βS+●●」のときのα・β

ワルラス調整・マーシャル調整どちらが現実的か

 

ここでワルラス調整過程・マーシャル調整過程のどちらが現実的なのかを簡単に知っておきましょう。

 

どちらが現実的なのかは市場の時間軸で決まります。

ワルラス調整過程

  • 為替や株式市場など

瞬間的に需要と供給のバランスが調整される市場がワルラス調整過程を経る。

マーシャル調整過程

  • 製造業(車・家)など

需要と供給のバランスが調整されるのに時間が必要な市場ではマーシャル調整過程を経る。

 

その市場の特徴に応じて、調整過程が違うと考えるのが一般的です。

 

ワルラス調整・マーシャル調整の覚え方

 

ワルラスとマーシャルがごっちゃになる人が多いようなので、私が考える覚え方をまとめておきます。

語呂合わせとか、そういう話ではなく、考え方の背景や、ワルラスとマーシャルという人物を知るという視点でまとめています。あくまで個人的な見解が入っているので気をつけてください。

 

まずは

  • ワルラス調整過程を覚える

調整過程を覚える前に、完全競争市場の基本を思い出します

 

ポイント

完全競争市場では、企業はプライステイカー(価格受容者)。

そもそも、企業は市場価格を受けれ入れて生産量を決めるため、価格を無視して生産量から調節するという考え方はそぐわない。⇒ミクロ経済学の考え方から見れば、価格が調節されて均衡点へたどり着くと考えるのが普通

 

(Wikipediaより)

ここで経済学者レオン・ワルラスについて知っておきましょう。

ワルラス調整過程で触れた通り、ワルラスは「すべての経済学者の中で最も偉大」と言われており、経済学に数学的な分析手法を積極的に導入したことで有名です。

数学的を積極的に用いたのですから、ワルラスは理論的な分析を中心に行っていたため、プライステイカー(価格受容者)のように、従来のミクロ経済学の考え方に沿った「価格(P)」に注目しています。

ということで、ワルラス調整過程では「価格が調節されて市場均衡点へたどり着く」と考えています。

 

北国宗太郎
なんとなく理解しました。
次にマーシャルを見よう!ワルラスとの対比が出来るよ。
牛さん

 

(Wikipediaより)

こちらは、超有名なイギリスの経済学者であるアルフレッド・マーシャルです。彼の名前から「マーシャル調整過程」と呼ばれています。

ちなみにですが、普段使っている「縦軸=価格(P)・横軸=生産量(Q)」として需要・供給のグラフ描いたのはマーシャルです。そこから消費者余剰や課税・外部性の分析を行っています。また、普段使っている需要曲線は、別名”マーシャルの需要曲線”と呼ばれるなど、マーシャルの功績は至る所に伺えます。

 

マーシャルは、ワルラス調整過程について問題点があると考えていました。

 

ポイント

ワルラス調整過程では、市場の不均衡は価格によって調整されていくと考えています。しかし、仮にそうだとしたら、商品・サービスの値段が素早く変化する必要があります。

今でいう「為替レート」「株式価格」のように、瞬時に変動していくような状態

 

ワルラスやマーシャルが活躍した時代は1800年代後半~1900年代前半で、ふつうの市場では瞬間的に価格が調節されることはないとマーシャルは考えました。

マーシャルは、ワルラスの考え方に時間というものがなかったため、その部分を考慮して調整過程を考えました

 

例えば

よく売れる商品があっても、いきなり価格が高騰するというより、生産者がそれに目を付けて「もっと製造して売ってやろう!」と考えて、供給量がどんどん増えていき需給が一致していくと考えます。

 

北国宗太郎
マーシャルさんは現実的な分析が好きだったのかな?
うん。それがマーシャルの特徴の1つだよ。
牛さん

 

ポイント

マーシャルは、イギリスの貧困問題などに熱心になっていました。経済学を通して、少しでもそうした問題を解決したいと考えていたと思われます。

そのため、理論が現実から乖離すれば「単なる暇つぶし」に過ぎない(Wikipediaより引用)とまで考えていたようです。

1885年2月にマーシャルがケンブリッジ大学の教授の就任時に行った演説から、彼の人柄も分かります。「冷静な頭脳と温かい心を持ち、身の回りで引き起っている社会的な困難を解決するために自身の能力の一部を快く差し出すことが出来る人材を世界に輩出していきたい。」
マーシャルの教え子から、マクロ経済学を確立した天才経済学者ジョン・メイナード・ケインズが輩出されたことも有名ですね。

※演説の内容(ここをクリックすると見れます)

It will be my most cherished ambition, my highest endeavour to do what with my poor ability and my limited strength I may, to increase the numbers of those, whom Cambridge, the great mother of strong men, sends out into the world with cool heads but warm hearts, willing to give some at least of their best powers to grappling with the social suffering around them;

私の宿望(予(かね)てからの夢)は、またその実現のために一番努力を払いたいと思っております事は、優れた人々の母たるケンブリッジ(大学)で学ぶ人々の中から、頭脳は冷静でも暖かい心情をもって、自分の最良の力の少なくともその一部を、身の周りの社会的な苦難を打開するために喜んで捧げるような人々を、この世界により多く送り出すことであります私の才能は貧しく、力も限られてはおりますが、私に出来る限りのことをしたいという願いに外なりません。

 

というわけで、ワルラスという人物・マーシャルという人物を知れば、2つの調整過程が違う理由が分かります。

今となっては、どちらが間違っているとかではありませんし、どちらの調整過程の方が現実的なのかは市場の性質によって決まります。

 

このような背景を知っておけば、多少なりともイメージが湧くため覚えやすくなるのでは?と思います。

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