行動経済学

【行動非行動の法則とは?】「やらない後悔・やる後悔」を行動経済学で解説!

2019年1月14日

「やらない後悔より、やる後悔」

何もしないくらいなら、やって後悔した方が良い!

この考えが行動経済学的に正しい理由を解説していきます!

行動非行動の法則(原則)とは?

「行動して後悔する」のと「何もしないで後悔する」のでは、後者(何もしないで後悔する)の方が後悔が大きくなる傾向にある。

 

北国宗太郎
北国宗太郎
確かに「やる後悔」の方が良い論調ってあるよね

 

ということで、次の例を見ていきましょう!

 

例えば

  • 近くのお店に買い物に来たとします

すると、気になる商品がありました(スマホでも服でもなんでもOK)。

でも値段が微妙に高い!

買うか迷って、結局買わずに家に帰りました。次の日にお店に行くとその商品は売り切れていました。あなたは「買えばよかった!」と思うのでした・・・。

 

この場合では「やらない後悔=買わない後悔」「やる後悔=買う後悔」と置き換えていますが、それぞれを見ていきましょう!

 

「やる後悔」は損失回避性・保有効果が重要?

まず

買っていた場合(やる後悔)のことを考えてみます。

買い物をしてすぐは、高い買い物をしてしまったという後悔に襲われます。

 

さらに詳しく

短期的には高い金銭を支払ったという事実に注意が向いている状態です。

 

ここで働いている心理状態は「損失回避性(損失忌避)」です。

「損失回避性」とは?

人は「得をするよりも損したくない気持ちの方が強い」(利得よりも損失に敏感)

 

高い金銭を支払ったという事実(損している)状態に目が向いていることから、それに対して苦痛を感じて後悔の念を感じている、というのが初期の心理状態です。

 

次に

時間が経過した後の話をしていきます。

時間が経つと、購入したものに対して次第に愛着が湧きはじめますよね?

 

さらに詳しく

中長期的には購入した商品自体に注意が向き始めます

 

ここで働いている心理状態は「保有効果」です。

「保有効果」とは?

自分が所有しているモノを、普通よりも高い価値があると思ってしまう心理現象のこと。

 

購入した商品に対して愛着が湧き始めて、少し高い買い物だったけど良かった、と思い始めるのが中長期の心理状態です。

 

ココがポイント

購入当初は、金銭を支払ったという事実に目がいくため後悔の念が強い (損失回避性)。しかし、次第に購入した商品への愛着から満足度が上昇し始める (保有効果)

 

こうして、やる後悔(買う後悔)は、次第に後悔の気持ちが減っていき、満足度が高くなる傾向にあります。

「やらない後悔」は永遠と残る

 

それでは、買わなかった場合(やらない後悔)を考えてみます。

買わなかった場合の心の変化はありません

 

何もしなかったという事実だけが永遠と残ります。

その結果、私たちは「何もしなかった」という事実をそのまま評価します。

 

ココがポイント

やらない後悔は、心理状態に変化がないため後悔の念をずっと感じることになる。

 

つまり

「やらない後悔」の問題点は、何も得られないことです。

実際に行動を起こすことで「”何か”を得る」ことが出来るなら、保有効果が働くため、やる後悔の方が心の満足度が高まります

 

北国宗太郎
北国宗太郎
「やる後悔」の方が良いって言われるのはこうした理由からだね
うん、でも「やる後悔」の方が良いというのは状況によるよ
牛さん
牛さん

 

これまでの話から、基本的に「やる後悔」の方が最終的に保有効果が働くので、長期的には満足度が高くなる傾向にあるという結論が言えます。

 

しかし、状況によっては「やる後悔」の方が良いと妄信して失敗するケースもあります

次は「やらない後悔」の方が良いケースを考えます!

 

「やる後悔」を妄信してはいけない理由

 

「やる後悔」が最終的に好まれるのは「保有効果」の影響を受けるためです。

 

ココに注意

なので「やる後悔」と言って行動しても、最終的に「保有効果」が働かないような場合は、さっきまでの話には当てはまりません。

 

北国宗太郎
北国宗太郎
保有効果が働かない「やる後悔」ってあるの?

 

具体的には・・?

  • 全財産を投げ打って挑戦した起業
  • 全く脈もないのに好きな人に告白

ちなみに、上の例では失敗することを前提に話していきます。成功すれば後悔もくそもありませんから・・。

 

まずは起業の例から見ていきます

全財産を投げ打って起業して失敗した場合、手元には何も残りません

むしろ借金が残る場合も考えれらえます。

 

確認!

この話をすると「貴重な経験が残る」という意見があります。

 

この意見は正しいですが、一つ問題があります。

「この貴重な経験」は次に生かすことが出来なければ、後悔しか残りません。

次に生かしている人は、きっと唯意義な人生を送っている事でしょうから、失敗した経験を活かすことが出来なかったケースを考えてみます。

 

失敗して再起不能になった場合、手元に何も残らないため「保有効果」が働く余地がありません。

すると「やらなければ良かった・・・・」と強く思う事でしょう。

 

ポイント

こうして、保有効果が働かないような場合は「やらない後悔」の方が良かったと言えます。

 

次に脈が全くないのに好きな相手に告白した場合です!

こちらの場合、先ほどと同様に告白して失敗すると想定して話していきます

 

こちらも好きな相手と結ばれることもありませんから、保有効果が働きません。

手元に何も残らないだけではなく、更に相手からの拒否(拒絶)を受けるため、ただただ心のダメージを負います。

 

北国宗太郎
北国宗太郎
青春の苦い思い出になるだけだね・・
人それぞれ解釈の仕方があるけど、あれだよね
牛さん
牛さん

 

これも「やらない後悔」の方が良かったと言えるかもしれません。

起業の例の話で書きましたが、失敗の経験を活かすことが出来なければ、「ただ失敗して後悔した」という状態になるので、頑張って次に活かしたいところです。

 

また、保有効果が働かないケースとして、こんなことも考えれられます。

  • 買ったものが想像以上に粗悪品だった
  • 結婚相手が想像以上に酷い人だった

 

ココに注意

いくら自分が手にしたものに価値を見出すクセ(保有効果)があっても、それ以上に酷いモノ・人ならば、関係ありません。

 

こうした場合も「買わなければ良かった・・」「結婚しなければ良かった・・・」という風になります。

繰り返しになりますが「保有効果」で満足度が上がっていかないようなケースでは「やらない後悔」の方が良かったりします。

  • 買ったものが想像以上に粗悪品だった
  • 結婚相手が想像以上に酷い人だった

この例では、満足度が上がるどころか、下がっていくため、明らかに「やらない後悔」を選ぶべきだったことになります。

 

最後に私なりの「やらない後悔・やる後悔」のまとめです!

  1. 保有効果が働かないような場合は、やる後悔を妄信してはいけない
  2. 仮に失敗しても、その経験を次に活かせないようなら「やらなければ良かった・・」と後悔するのがオチ

 

ココがポイント

失敗したら再起不能になるような挑戦は、よ~く考えるべき。失敗を次に活かせなければ、何もしない方(やらない後悔の方)が良かったことになる!

 

北国宗太郎
北国宗太郎
まあ、立ち上がれるくらいに挑戦するのが良いよね!

 

最後に「トム・ソーヤーの冒険」の著者であるマーク・トウェインのお言葉でお終いです。

Twenty years from now you will be more disappointed by the things you didn't do than by the ones you did do.

「20年たてば、したことよりもしなかったことを嘆くようになる」

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