自分の幸せが長く続かないな~って思ったことはありませんか?
その理由を行動経済学では、既に答えを出しています。
なぜあなたの幸せや不幸は長く続かないのか?
感応度逓減性とは?
感応度逓減性は「かんのうど ていげんせい」とよみます。
- 感応度(かんのうど)~ 感じ方
- 逓減性(ていげんせい)~ 徐々に減る
正確には、単位あたりの感情が段々と減少する性質のことを言います。
ここも注目
感応度逓減性は、行動経済学の「プロスペクト理論」で登場します。
どうしてそんな当たり前のようなことが話題になっているのかと言うと、この話を経済学の理論にはめ込んだ事が、当時は画期的だったわけです。
プロスペクト理論は、2002年にノーベル賞を受賞しています。
例えば・・
誰かから借金をしたり、リボ払いをしようとします。
すると、最初に借金やリボ払いをするときは、少し不安感もあります。
借金・リボ払いをしようとする人
借金(リボ払い)か・・
しかし、だんだんと借金(リボ払い)をすることに慣れていきます。
最初の借金は10万円でした。
しかし、20万円、30万円と借金をしていくと段々と「借金をすることに慣れていきます」
ココに注意
借金をするマイナスな感情は最初がピークです。借金をすればするほど、借金額が大きくなるのにマイナスな感情が薄れていきます。
これこそが「感応度逓減性(かんのうどていげんせい)」です。
薬物中毒者が「段々と薬の効果が効かなくなってくる」という話を聞いたことがありませんか?
この話、薬物に限ったことではありません。
実は、人の感情のほとんどで同じことが言えるのです。
行動経済学の実験
(Wikipediaより)
有名な行動経済学者ダン・アリエリーの著書で紹介されていた実験があります。
- 巨大掃除機の騒音
レイフ・ネルソンとトム・メイヴィスが行った実験です。
実験の協力者に巨大掃除機の騒音を聞かせます。
- 5秒間騒音を聞いたグループ
- 40秒間騒音を聞いたグループ
さて、どちらのグループの方がいらだち度が高かったでしょうか?
実験の結果
なんと、掃除機の騒音を5秒間聞いたグループの方が、40秒間聞いたグループよりも苛立ち度が高かったのです。
掃除機の騒音を40秒間も耐え忍んでいると、爆音に慣れてしまい、それほど不快に感じなくなっていたと言われています。
ココがポイント
この実験の結果は、感応度逓減性が表れた例だと言えます。さきほどの初めて借金をした時のマイナスな感情は強いけど、借金をすればするほどマイナスな感情を感じずらくなっているのと同じ。
快楽の踏み車
ここまでは「マイナスな感情は次第に慣れていく」という話をしてきました。
しかし、マイナスな感情だけではなく、プラスな感情も同じだという事を書いておきます。
例えば、皆さんは新しいものが手に入れば、今よりももっと幸せになると思いませんか?
残念ながらなりません。
新しい車を手に入れて、嬉しい気持ちになります。
しかし段々と慣れていき、次の車が欲しくなります。
車のパーツもどんどん欲しくなる、そんな無限ループに陥ります(快楽の踏み車)。
投資の世界だと
株式投資をしていたあなたは、1万円の利益が出て喜んでいます。
次はもっと利益が欲しくなり、運よく2万円の利益がでます。
もっと利益が欲しくなりました、次は・・・。
感応度逓減性は、不幸な話だけではなく、快楽や幸福にも当てはまるのです。
最初の1万円の利益はとても嬉しかったのに、つぎの2万円利益が出たときは、最初よりも喜びが低いです。
こうした感応度逓減性の影響で、投資の世界では、どんどんハイリターンを求めてしまう傾向にあります。
感応度逓減性を知らないと、永遠と「もっと」を繰り返して、いずれは大失敗をするでしょう。
「ほどほどにする」←とても重要な言葉です。
ちなみに
負けている場面、さらに話が厄介になります。
損が拡大しても、段々と慣れていくのでジャブジャブお金を使います(ギャンブルで負けている人はコレです)。
そして、一発逆転を狙って、ハイリスクな選択を取りやすくなります。
もちろん、一発逆転を狙うと大抵は負けるので、大きな損をします。
しかし、損が拡大してもマイナスな感情を感じづらくなっているので・・・。
こうして、自分を抑えられないと沼に落ちていきます。
特にお金が絡むような話は注意をしましょう!
喜びを長く続ける方法
喜びや不快な気持ちを長く続ける方法があります。
それが「○○」です。
さきほどの「掃除機の実験」ですが、実は続きがあります。
人の喜びや不快な気持ちを継続させるために重要なことは・・・。
という事で続きはダン・アリエリー先生の行動経済学の本を読んでいただければと思います!