投資家の話をすると、今から200年前のロスチャイルド家の話は欠かせません。
世界経済の黒幕と言われるロスチャイルド家の1人、ネイサン・メイアー・ロスチャイルドを知らないと言わせない!
世界で初めてのインサイダー取引と言われる「ネイサンの逆売り」や投資の格言も紹介!
ネイサン・メイアー・ロスチャイルドって誰?
ネイサン・メイアー・ロスチャイルド (Wikipediaより)
ネイサンはイギリスの銀行家として有名になり、ロンドン・ロスチャイルド家の祖と言われています。
ユダヤ商人の三男としてドイツ (当時:神聖ローマ帝国)で生まれました。
ネイサンはドイツ生まれですが、イギリスの銀行家へと歩みを進めます。そのきっかけとなったのが恋人エルザの死です。
当時の欧州は・・?
ナポレオン率いるフランスがヨーロッパ各国へ勢力を拡大させていた時代です。
ネイサンには、婚約を誓っていたエルザという女性が居ました。しかし、ドイツへ進行してきたフランス軍によりレイプに合ったエルザは自殺します。
ネイサンは「男は拳の力か金の力を持たなければ愛する者を守れない」というナポレオンの言葉を胸に、1798年 イギリスへ渡り貿易事業を始めます。
さらに詳しく
ナポレオンの対外進出の影響で、ドイツの綿製品は価格が高騰していました。そこで「当時”世界の工場”と言われたイギリスで安く仕入れて、ドイツに売る」ビジネスを行います。利益を重ねて、徐々に金融市場に足を延ばしたわけです。
「ネイサンの逆売り」世界初のインサイダー取引?
ワーテルローの戦い (Wikipediaより)
ネイサンがイギリスでの力を蓄えていく中で、一方のナポレオンは、1812年ロシア遠征の失敗などを契機に失脚していきました。一時的に、流刑地送りになります。
そんなときに事件が起る
- 1815年2月、ナポレオンは流刑地のエルバ島を脱出してフランスに上陸、パリに帰還して皇帝に再君臨します。
再度「フランス 対 ヨーロッパ各国」という構図が復活。
ベルギーのワーテルロー (ラ・ベル・アリアンス)でフランス軍とイギリス軍が激突。
市場が注目した戦い!
当時、 世界の金融の中心であったイギリス・ロンドンでも、 投資家たちがこの戦いに注目していました。
理由はイギリス国債の価格が、戦いの結果によって変動するからです。
- 英国(イギリス)がナポレオンに負ける⇒国債価格は下落
- 英国(イギリス)がナポレオンに勝つ!⇒国債価格が高騰
ネイサンは、戦いが始まってからイギリス国債を売り始めました。
周りの投資家は、その売り仕掛けを見て
投資家
ネイサンは、ヨーロッパ各国に兄弟がいるので情報通だ
投資家
イギリスが負けそうだという情報を持っているんだ
こうして周りの投資家が、ネイサンに続きイギリス国債を売り始めます。
市場は大混乱、イギリス国債の価格は下げ続けました。
ココがポイント
イギリス国債が物凄く安くなっている状態になってから、ネイサンは債権を買い集めます。その結果、市場の流通している約6割のイギリス国債がネイサンのものになりました。
そして翌日・・
ナポレオンを破ってイギリスが勝利したと新聞などで報道されました。
1815年6月18日 ワーテルローの戦いで敗北したナポレオンの「100日天下」が終わります。
そこからイギリス国債の価格は急騰!
こうして、途中からイギリス国債を買い集めていたネイサンは、巨万の富を手にしました。
これが「ネイサンの逆売り」として、語り継がれることになるのです。
さらに詳しく
最初に「売り仕掛け」をして、安くなってから買い増す。この「逆売り」は、既に情報を手にしていた状態で取引をした(インサイダー取引)と語り継がれています。
この話は、どこまで脚色されているのかは分かりません。
- 最初はイギリスが本当に負けると思って売りに走った。
- 国債を買ってから1年以上も保有し続けているので、一瞬で儲けた話みたいになっているのはおかしい。
こうした反論があったりします。
「ネイサンの逆売り」から学べること
町のあちこちで通りが血に染まっているときこそ、買いの絶好のチャンスだ。
こうした暴落でも、冷静に状況を分析して行動することが大切です。
ネイサン自身も、市場が熱狂している状況が嫌いだったようで、冷静に観察するクセがあったそう。
情報はあらゆる形態を装い、採用をもちかける。
この言葉は、ジェシー・リバモア の格言です。
ポイント
「ネイサンが売り始めたからイギリスが負ける」と勝手に解釈をして、多くの投資家が後に続きました。まさしく「情報というものは危険で、よく吟味しなければいけない」ということを示すいい例でしょう。
相場の世界で「他の人の考え」ほど意味のないものはありません。
自分で考えて、自分で行動する。それが相場で勝つ秘訣です。