恋愛でよくある、あんなこと、こんなこと。
その理由を行動経済学で登場するプロスペクト理論で説明!
恋愛でよくある失敗は、どうして引き起るのか?
プロスペクト理論とは?
プロスペクト理論は行動経済学で有名な理論です。
2002年には、プロスペクト理論を発表したダニエル・カーネマン教授らがノーベル経済学賞を受賞しています。
まずはプロスペクト理論について簡単に説明!
プロスペクト理論:6つのポイント
- 人は得をするよりも、損する方に敏感に反応する。
- 人は得られる利益は確実に得たいが、確実な損失は避けたがる(損失回避)
- 損をしている場面だと、リスクのある行動を取りやすくなる。
- 人の喜びや悲しみは、参照点に依存する(相対評価)。
- 人の喜び・悲しみは長くは続かない(慣れる)。
- 人は確率を正しく認識していない。
プロスペクト理論の詳細はこちらで確認してね!
⇒【プロスペクト理論を分かりやすく】行動経済学で投資や恋愛で失敗する理由を知ろう!
恋愛でよくある話をプロスペクト理論で説明!
男女の恋仲って、意外と定番の話があります。
何千年も同じような問題があって、同じ悩みを持つ人がいます。そうした定番とも言える話をプロスペクト理論で説明していきましょう!
① マンネリ化
初めて出会った時より、徐々に喜びが薄れていく
付き合い始めての時は毎日が楽しかったのにマンネリ化してしまう。そんな悩みを抱えている人も多いかと思います。
徐々に喜びが薄れていく感じは、プロスペクト理論でも登場しています。
人の喜び・悲しみは長くは続かない(慣れる・感応度逓減性)
恋愛以外の全てのことに言えますが、人は慣れる生き物です。感動が薄れていくのは仕方がないことです。
グラフで見ると・・
同じ刺激が繰り返されると、感情が段々と薄れていきます。
ここで注目
プロスペクト理論では「長く続かない喜びを伸ばす方法」があります
それが、イベントを刻むことです。
ポイント
家具を買い替える時を考えてほしいのですが、いっぺんに買い替える時よりも、月に1つずつ買い替える方が喜びが長く続きます。
行動経済学の実験で判明していることで、一度に刺激をまとめるよりも、断続的に刺激を与えた方が、良い記憶も悪い記憶も心に残りやすいことが分かっています。
※札幌⇔函館間は、東京⇔大阪間くらいの距離があるので1日で回れません。
ちなみに
恋愛の場合は、脳内物質が過剰に分泌されている状態が3年~4年は維持されます。その状態が終わると、今まで感じていた激しい喜びを感じづらくなる側面もあります。
男女の平均交際期間は2年超~3年以内です。
ココも忘れずに
情熱的な感情が無くなっても付き合うには、恋愛感情以外で相手に「居心地が良い相手」「尊敬できる」など他の要素を築く必要があります。
② 不倫・浮気相手とダラダラ関係が続く
先ほどの話と同じで、付き合い始めて数年が経てば、相手への熱が冷めるものです。
今付き合っている人に不満があると、他の相手を求めるのが人のサガと言えます。そして、浮気や不倫に走る・・・。一度関係ができれば、万事休す。
浮気や不倫は大体バレるまで関係が終わる事はないなんて言われます。
プロスペクト理論によると、人には損を嫌う性質があります。そして、現状を変えたがらない心理を持っています。
つまり
一度浮気や不倫をすると、浮気(不倫)相手がいる状態を変えたがらない心理が働きます。また、損が嫌いな人の性質から、浮気(不倫)相手を手放すことを嫌がります。
浮気がバレるまで続く理由
こうして浮気や不倫はバレるまで続くことが多いです。
片方が分かれたがっても、もう片方がそう思わない限り別れることが出来ません。男女ともに「損に敏感に反応する性質」「現状を変えたがらない性質」を乗り越える必要があるからです。
この壁を乗り越えるのは難しいので浮気・不倫相手と別れることなく、ダラダラと関係が続き・・・。
という事になるのです。
③ 次の恋に移れない
次の恋に移れない。
30才女性
もう30歳になるけど、相手は結婚したそうでもないし。
こうして、浮気・不倫と同じでダラダラと関係が続く。
なぜこんなことが起こるのか?
先ほどと同じ理由
人は損を嫌う性質があります。そして、現状を変えたがらない心理を持っています。
この話では、女性を例にする方が分かりやすいのでこんな場面を考えてみましょう!
例えば
- 29歳:女性
- 彼氏と付き合い始めて3年
- でも彼氏は全く結婚する気はない
年齢を考えると、焦りを感じる。正直これ以上付き合っても・・・。
でも別れられない。
step
1「現状維持バイアス」が働く
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【保有効果と現状維持バイアス】プロスペクト理論で登場する心理学を紹介
片付けができない、恋人と別れられない・・。 こうした原因は「保有効果」「現状維持バイアス」などの心理効果が働いているから ...
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恋人がいるこの状態、結婚は出来るか分からないけど、なんとなくこの状態を手放したくない。
step
2次に「損失回避」が働く
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【損失回避性とは?】絶対に知るべき行動経済学で登場する心理学
あなたが「失う」ことを嫌うのは何故か。 行動経済学の理論の多くが「損失回避の法則」と関係しています。 必ず知るべき「人の ...
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長く付き合ってきた恋人を手放すのは、抵抗感がある。
step
3曖昧回避性(不確実性回避) も働きます
新しいポイント!
人は「曖昧な状態を嫌う性質」があります (曖昧回避性・不確実性回避)。
もう30歳だし、もし彼氏と別れても次の相手が見つかるのだろうか?それだったら、今の彼氏と別れない方が良い気がする。
別れた後に、次の恋人が見つかる可能性が全く見えません。こうした不確実な状態を、私たちは無意識のうちに嫌っています。
人には「曖昧な状態を嫌う性質」があります
30歳目前で新しいパートナーを見つけられるのか?この曖昧な感じ(不安)が、結婚が見込めない相手との関係がダラダラと続く理由になります。
④ あの人を忘れられない
こちらも恋愛関係では定番です。
「あの人を忘れられない」
この場合、2つのケースが考えられます。
付き合う前
- 「あの人を忘れられない (固執・一目惚れ)」
- まだ付き合ってないけど「あの人いいな~」という状態
別れた後
- 別れた後に「あの人を忘れられない (未練)」
- 別れた後に「あの人が忘れられない」
この状態を説明するのに重要なのは「保有効果(授かり効果)」です。
人は自分が持っていたものに対して、高い評価をする傾向がある。(保有効果)
プロスペクト理論の中で登場する「保有効果(授かり効果)」ですが、この話を今回のケースに当てはめてみましょう!
(1) 一目惚れと固執
この場合、相手と付き合っていないのに「保有効果(授かり効果)」が働きます。
「保有効果(授かり効果)」の凄いところは、実際に手に入っていなくても効果が出るところです。
たとえば?
オークションで一瞬だけ自分が落札者になったとかでも「保有効果(授かり効果)」が発動します。
恋愛に置き換えると
「少しだけ優しくされた」とか「体触れる機会があった」とかです。こうした、恋人まがいの出来事があれば「気があるのかな?」と勘違いする人も多いかと思います。
この勘違いこそ「保有効果(授かり効果)」が現れるきっかけになります。
ココがポイント
「気があるのか?」という勘違いは「一瞬だけ自分の恋人になったような錯覚」をもたらします。
こうして「自分の持っているものを高く評価する」という人の性質が、付き合ってもいない相手を過剰に評価してしまう原因になります。
更に
- 先ほども紹介した「損失回避」という人の性質も関係してきます
一度手に入れたような感覚を間違って持つと、自分の恋人にはならない現実を受け入れられなくなるのです。
ココに注意
この感覚は「自分の恋人にはならない」⇒「その人を手放す」と繋がります。この過程で「損失回避」という心理が働き、より相手を忘れられない存在にするのです。
さらに詳しく
一度その気になれば、保有効果と損失回避からは逃れられず、固執することになります。
こうして、恋愛感情かも良くわからなくなり、固執の名のもとにストーカーなどに繋がるので注意してください。
(2) 未練
別れた相手に未練がある場合も「保有効果(授かり効果)」が関係しています。
元恋人に対して「保有効果(授かり効果)」が現れている状態です。
人は自分が持っていたものに対して、高い評価をする傾向がある。
更に「人は得をするよりも、損する方に敏感に反応する」という性質もあります。
恋人を失ったことに対して過剰反応しており、心理面で弱っています。
ポイント
精神的に弱っている場合、人の性質などは直ぐに表れるのでプロスペクト理論の通りのことが引き起るのです。
「プロスペクト理論で恋愛を考えてみる」の総括
ここまでプロスペクト理論で恋愛で良くある話を説明してきました!
自分がモテようとする時にも使えたりするかも?特に④の(1)の話とかは、意外と肝だったり。←でも結構難しいですよね。
今日一番重要!
恋愛は、自分の経験とか、気持ちとかを大事にした方が良いと思います。