行動経済学

【アジア疾病問題】フレーミング効果の有名な3パターンを解説!

行動経済学で最も有名な実験の1つである「アジア疾病問題

今では「フレーミング効果」と呼ばれる理論の元となった実験を紹介!

「アジア疾病問題」とフレーミング効果

 

アジア疾病問題とは

学生に、アメリカで流行しそうなアジア病の対策をどのように行うかをアンケートした実験。行動経済学の「フレーミング効果」につながる実験結果だったため有名

行動経済学者のダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーが共同で行った有名な実験。元の論文「Tversky and Kahneman (1981)」

 

北国宗太郎
アンケートだけなのに、有名な実験なんだね。
この実験から新しい行動経済学の考えが出てきたんだよ。
牛さん

 

まずは「アジア疾病問題」の内容について見ていきます。

 

実験

  • 600人の死亡が予想されるアジアの伝染病の対策案があります

ケース1

  • 対策案A:200人が助かる
  • 対策案B:1/3の確率で600人が助かるけど、2/3の確率で誰も助からない

あなたは、どちらの対策案を選びますか?

 

北国宗太郎
う~ん、どちらかと言えばAを選ぶ
結果を見てみよう!
牛さん

結果

  • Aを選択した人が72%
  • Bを選択した人が28%

つまり対策案Aを選択する人が多い。

 

次のケースなら、どちらを選びますか?

  • 600人の死亡が予想される伝染病の対策案があります

ケース2

  • 対策案C:400人が死ぬ
  • 対策案D:1/3の確率で誰も死なないけど、2/3の確率で600人が死ぬ

あなたは、どちらの対策案を選びますか?

 

結果

  • Dを選択した人が78%
  • Cを選択した人が22%

つまり対策案Dを選択する人が多い。

 

ここに注目

対策案の「AとC」「BとD」は同じことを言っています(表現方法が異なる)。

  • A・C=200人助かるが、400人は死亡する対策案
  • B・D=確率1/3で全員助かる、確率2/3で全員死亡する対策案

それなのに、ケース1ではAが選ばれて、ケース2ではDが選ばれます

 

北国宗太郎
確かに不思議。どうして差が出るの?
人の心には、こんな特徴があるんだ
牛さん

心の特徴

  1. 人は確実なものが好き
  2. 人は失うことが嫌い

ケース1では、確実に200人が助かる選択肢Aが好まれた。

ケース2では、少しでも損しない確率が残っている選択肢Dが好まれた。

 

上記の例は学術的には「リスク選択フレーミング」に分類されます。状況によってリスクを取るかとらないかのフレーミング効果を調べている。選択肢の期待値は同じ

 

「アジア疾病問題」の実験結果は、1981年「Science誌」に掲載されて話題になりました。

その後、この実験結果から「フレーミング効果」と呼ばれる行動経済学の理論が確立します。

 

詳しくはこちら

フレーミング効果とは?「表現次第で選択が変わる」行動経済学の具体例を紹介!

あなたの選択は操(あやつ)られていると言われたら? 表現だけで人の感じ方は変わります。 コップに水がもう半分しかない コ ...

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アジア疾病問題の続き

 

アジア疾病問題は、他にもパターンがあります。

最初に紹介したものは「リスク選択フレーミング」と呼ばれています。不確実な状態ではどのような選択肢が好まれるかを検証してる。

 

step
1
属性フレーミング

 

さきほどの続き

  • 600人の死亡が予想される伝染病の対策案があります

プラスの選択肢」と「マイナスの選択肢」を直接並べられた場合

  • 対策案A:200人が助かる
  • 対策案C:400人が死ぬ

対策案Aと対策案Cは同じです。
600人中・200が助かって400人が死にます。

 

全く同じことを表現を変えて並べただけですが、この場合は「対策案A」の方が好まれます

 

ポイント

全く同じ選択肢でも「ポジティブな表現」と「マイナスな表現」なら、基本的にポジティブな表現の方が好まれる

 

コップに水が

  • もう半分しか
  • まだ半分も
北国宗太郎
捉え方の違いで凄く変わる。
「まだ半分も」って考えられる人になりたいね。
牛さん

 

上記の例は学術的には「属性フレーミング」に分類されます。全く同じ事柄でもポジティブな表現(属性)を好む。

 

step
2
目標フレーミング

最後は「対策案Aを実施させたいけど、相手をどう説得させるのが良いか」という問題。

相手を説得する時にどう表現するか

  • 「対策案Aを行えば200人が助かります」
  • 「対策案Aをしないと誰も助かりません」

 

注意ポイント

今までは「AとB」みたいに選択肢を2つ用意してから「どっちがいいですか?」と聞いた時の話です。

この問題は「Aを実施させたい」けどどう説得するのがいいか?という問題。

 

さて、この場合は今までと結果が異なります。この場合のみ「マイナスな表現」をした方が対策案Aを実施しようとする動きが強まります

 

北国宗太郎
今までと違うのはどうしてだろう・・・

 

人は「損をするのが嫌い (損失回避性)」です。

なので「損が確定してしまう選択肢」は選ばれませんでした。

しかし、今回は「対策案Aをしないと全員死ぬ=損が確定してしまう」ので、対策案Aを実施して、それを避けようとしたのです。

 

ポイント

人は損を避ける生き物

実際に行動しないと損をするようなケースでは「行動しないと損しますよ」と強調したほうが、人は動く傾向にある。

上記の例は学術的には「目標フレーミング」に分類されます。相手を説得する時「するかしないか」を選ばせる場合の話。

 

注目!

アジア疾病問題は、多くの行動経済学の起点となる実験です。

上の行動経済学の理論も確認しよう!

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