「フレーム問題」という話を知っていますか?
「ロボットと人では情報の処理方法が決定的に違う」というお話です。
そんなお話から、普段の生活で人が情報をどう処理しているのかが簡単に見えてきます!
「フレーム問題」とは?
ロボットは有限の情報処理能力しかないため、現実の全ての問題に対処することが出来ないという指摘。
1969年に、ジョン・マッカーシーとパトリック・ヘイズによって指摘された問題。
洞窟の中にロボットを動かすバッテリーがあり、その上に時限爆弾が仕掛けられている。
ロボットは「洞窟からバッテリーを取り出してくること」を指示された。
ロボットは、洞窟に入って無事にバッテリーを取り出すことができた。
しかし、そのロボットはバッテリーの上に爆弾が載っていることには気づいていたが、バッテリーを運ぶと爆弾も一緒に運び出してしまうことに気づかなかったため、洞窟から出た後に爆弾が爆発してしまった。
ロボットは、バッテリーを取り出すという目的については理解していたが、それによって副次的に発生する事項(バッテリーを取り出すと爆弾も同時に運んでしまうこと)について理解していなかったのが原因である。
この問題は「爆弾があった時は置いてくる」というプログラムが組まれていなかったから発生しました。
こんな感じで、人ならば「普通に考えればそんな変なことしない」という事も、ロボットでは全てプログラムしないといけません。これがフレーム問題です。
AI(人工知能)がすごいと騒がれているのは、この「フレーム問題」を「ディープラーニング」などで克服しているからです。
ポイント
ロボットならば、いちいち条件を付け加えないといけないような事も、人は無意識に判断しています。これこそが「人が何かを考える時の特徴」そのものなんです。
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人は文脈を読むことが出来る生き物
人の脳は、状況に合わせて考えなくていい事とかを自動的にどうにかして、その時々で良い判断をします。(←この脳の仕組みはいまだに解明されていません)
ポイント
人間は、状況を読み、無意識に情報の取捨選択ができる。
仕組みは分かりませんが、この力の源は「人が能動的に情報を得ようとしているから」だと考えられます。
ロボットの場合は「受動的に情報処理」するだけですが、人は周りの環境から色々な情報をキャッチして積極的に処理しています。
その場の文脈を読んで、状況を把握して行動する人間の力こそ「人とロボットの決定的な差」を生んだと私は考えています。
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人は積極的に情報を選別している
先ほどまでの話では、人が情報を積極的に取捨選択しているという事をお話しました。
「無意識に情報を選別している」のを別の言い方をすれば、一瞬でいらない情報を除外したり、思考の速度を速めるためになるべく脳へ負荷をかけないようにしているとも言えます。
ポイント
人は状況を一瞬で判断するために情報を選別しているけど、その副作用でヒューリスティックや心の会計簿が出てきたと言えるのかもしれませんね!
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