ゲーム理論

【ゲーム理論とは?】専門用語も分かりやすく簡単解説!

ゲーム理論についてサクッと知りたい初心者向け!

よく登場する用語や考え方を分かりやすく解説!

これを読めばゲーム理論の大枠を理解できます

ゲーム理論とは?分かりやすく簡単解説!

 

ゲーム理論とは?

ゲーム理論は、あるお題に対して、みんなが利己的(合理的)に行動したらどんな結果になるか?を研究する分野です。

このような行動を数学的に分析した理論として確立された。

 

例えば

  • ビジネスの場でどう行動するか
  • 相手との交渉でどう行動するか
  • 友人・恋人・家族とのやり取り

こうした場面では、少なからずゲーム理論の考え方が登場します。

「他人の行動・自分の行動がどうなれば一番利益が出るのか?」「自分はどうするのが最適なのか?」を考える経済学の分野になります。

ゲーム理論では、ビジネスの場・交渉の場・誰かとのやり取りなどを「ゲーム」と呼んでいます。

 

北国宗太郎
北国宗太郎
ゲーム理論ってよく聞くけど、微妙に専門用語がたくさんあるよね
そうだね。まずは分かりやすいところから解説していくよ!
牛さん
牛さん

 

私たちが生活している中で、相手と協力したり、時には競争することだって・・。

 

ゲーム理論では、そうした状況に応じて2つの考え方があります。

まずはその2つの考え方を紹介します。

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協力ゲーム・非協力ゲーム

 

協力ゲームと非協力ゲーム

複数のプレイヤーが提携・協力できる仕組みがあれば「協力ゲーム」と呼ばれる。

ただし、現実的には相手と協力する仕組みがないことが多く、ゲーム理論では「非協力ゲーム」の分析が大半を占めている。

 

まずは協力ゲームからお話していきます!

 

step
1
協力ゲーム

協力ゲームの例

たとえば、ある企業3社が新規事業を始めようとしていました。

企業3社は、共同して事業を始めることが出来ます

このときに、3社は協力してやった方がいい?それとも個別にやる?

 

北国宗太郎
北国宗太郎
普通に考えると協力したほうが良いよね?
それは利益の分配方法によって変わるんだ
牛さん
牛さん

 

3社が協力したほうが利益がたくさん出ます。

ココに注意

しかし、ある1社が利益をたくさん持っていくと、残りの2社は協力するうま味が無くなります。

 

全体で見れば協力する方が利益が出ても、協力した企業が3社とも利益を享受できないと協力には至らないのです。

 

さらに詳しく

協力ゲームでは、協力して得られた利益をどうやって分配するか?などを分析します。利益を上手く分配して、みんなが協力できるためにはどうするか?が「協力ゲーム」のメインの話になります。

 

北国宗太郎
北国宗太郎
意外とみんなで協力するって難しいよね
ちなみに協力ゲームで登場する話が身近にあるよ。
牛さん
牛さん

 

身近な話

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協力ゲームで登場する利益の分配方法に「シャープレイ値」というのがあります。

この「シャープレイ値」はタクシーの相乗りの計算方法として注目を集めています。

ポイント

最近では、シェアリングエコノミーの拡大で、車の相乗りのサービスが増えています。でも料金ってどうやって決まるのでしょうか?

その計算方法が「協力ゲーム」で登場したシャープレイ値が応用されています。

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step
2
非協力ゲーム

 

非協力ゲームでは、相手と協力するという前提はありません。

結果的に協力する事になっても、あくまで自分の利益を第一に考えて、各自で行動します。ゲーム理論では「非協力ゲーム」の話が大半を占めています。

 

非協力ゲームの例

ある企業が新規サービスを始めようとしていました。

サービスを始めれば、ライバル企業は値下げ競争に踏み切るはずです。この場合、新規サービスを始めるのが良いのでしょうか?それとも止める?

 

北国宗太郎
北国宗太郎
なんかよくある話だよね?
うん。良くある話だからこそゲーム理論で登場する頻度も多いんだ。
牛さん
牛さん

 

書くまでもありませんが、上の例だと、どれくらい利益が出て・・、などを考えて意思決定することになります。

さて、非協力ゲームで登場する話で超有名なものがあります。

 

注目

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この話は超有名です。

各自が自分に有利な選択をすると、全体で見ると1番いい結果にならないという話です。

 

囚人のジレンマ

  • 囚人A
  • 囚人B

いま2人の囚人がいます (おそらく共犯)。
担当の検事が2人の囚人へ司法取引を持ち掛けました

 

検事

普通なら懲役5年になる。2人とも黙秘したら、証拠不十分で、2人とも懲役2年だ。でも君だけが自白してくれたら懲役0年で釈放してあげよう

 

ただし

1人だけが自白したら釈放(懲役0年)するが、黙秘してた方は懲役10年

2人とも自白したら2人とも懲役5年

 

この話のオチは「どちらも自白して懲役5年になる」です。

なぜそうなるのか、回避方法については「囚人のジレンマとは?」こちらを読んでください。

 

北国宗太郎
北国宗太郎
囚人のジレンマって有名だよね。
ゲーム理論では定番中の定番です。
牛さん
牛さん

 

さて「協力ゲーム」「非協力ゲーム」を見てきましたが、ここで2つほど知っておくと言い用語があるので紹介します。

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step
3
パレート最適・ナッシュ均衡

(ジョン・ナッシュ Wikipediaより)

ナッシュは「ゲーム理論」という分野を切り開いた最大の功績者です。1994年にはノーベル経済学賞を受賞しており、書籍・映画「ビューティフル・マインド」では彼の人生が描かれています。

 

北国宗太郎
北国宗太郎
ここで天才登場ですね
大学の推薦状に「彼は数学の天才」と書かれるほど天才でした。
牛さん
牛さん

 

そんな彼が唱えた「ナッシュ均衡」はゲーム理論では必ず登場する考えなので知っておきましょう!

 

その前に・・

「ナッシュ均衡」を知っておく前に「パレート最適」を知っておく方が理解しやすくなります。なので「パレート最適」について解説をしておきます!

 

パレート最適

社会全体で1番良い状態のこともうこれ以上、改善の余地がない状態

経済学ではよく登場する言葉。

 

一方で「ナッシュ均衡」とは・・?

ナッシュ均衡

各個人が最適な選択肢を選んだときに得られる結果を「ナッシュ均衡」と言います。

みんなが自分にとって1番いい選択をすると辿り着く結果のこと

 

さきほど登場した囚人のジレンマは「パレート最適」と「ナッシュ均衡」が一致していない例になります。

分かりやすく!

魚の漁業量を守ることは重要です。

社会全体・漁業者全体で見れば、漁獲高を制限して資源を守るのが「パレート最適」になります。

 

しかし、個人の漁業者で考えれば話は変わってきます。

自分の利益を最大限にしようとしたら、魚を取りまくったほうが良いです。

みんなが利益のために魚を取りまくっている状態を「ナッシュ均衡」と言います。

 

囚人のジレンマは「みんなが自分の利益を追った結果(ナッシュ均衡)、社会的に望ましい結果(パレート最適)に辿り着かなかった話」になります。

 

ゲーム理論では「パレート最適(効率的)」「ナッシュ均衡」という言葉は、よく出てくるので知っておきましょう!

 

完備情報ゲーム・不完備情報ゲーム

 

ここまでは「協力ゲーム」「非協力ゲーム」という視点でゲーム理論を見てきました!

次に「情報」という観点でゲーム理論を見ていきます。

 

完備情報・不完備情報ゲーム

その場のルール・取引するのに必要な情報がプレイヤー間で共有されていれば「完備情報ゲーム

そうした情報がないなら「不完備情報ゲーム

 

完備情報ゲームは、ボードゲームなどをイメージすれば良いかと思います。一方で「不完備情報ゲーム」では有名な話がありますので紹介します。

普通の世界では、相手がどんな性格で、自分がどんな状況にいるかを完ぺきに知ることは出来ません。

そうした事情から、労働市場などは「不完備情報ゲーム」の代表例になります。

 

具体的なよくある話

就活生と企業の採用活動を見てみます。

 

企業の人事

この人は採用して良いのだろうか・・?

就活生

私は英検1級、在学中に起業して事業を売却した経験、自作でアプリケーションの開発も出来ます。他には・・

 

さて、この時企業側が気になるのが

  • 相手の技量がどれくらいあるか
  • 相手はどういった人柄か

などです。

面接をしても100%で相手の情報を読み取れるわけではないので「不完備情報ゲーム」となっています

ゲーム理論では、こうした状況で「どんな戦略的な行動を取れば良いか?」などを分析したりもしています。

 

北国宗太郎
北国宗太郎
なんか難しい問題だよね
不完備情報ゲームだと確率的な話になることもあるよ
牛さん
牛さん

 

相手の情報を100%分からないので、企業は就活生が優秀かどうかを確率的に考えなければいけません。

たとえば、先ほどの例なら

企業の人事

とりあえず優秀そうだ!

 

この「とりあえず優秀そうだ」は、90%くらいで活躍できる人材になりそうだ的な考えになります。あの資格を持っていれば高確率で優秀な人材だ、みたいな感じ。

あくまで、100%ではありません。

 

ポイント

このように、確率的なことを考慮する不完備情報ゲームを「ベイジアンゲーム」と呼んでいます。

例にあげている「企業の採用活動」はベイジアンゲームの一例となっています。

 

一方で

就活生側は、自分が優秀な学生であることをアピールするために、資格などを企業にアピールする事になります。

このように、自分の情報を間接的に伝えようとすることを「シグナリング」と言います。

就活生

私はこの資格を持っています!(シグナリング)

 

不完備情報ゲームの代表例である「企業の採用活動 (労働市場)」では

  • 学生側はどうシグナリングするか
  • 企業側はどうやって学生を見極めるか

という視点が重要になってきます。こうした分析にもゲーム理論が登場しているわけです。

 

最後に

ここまで、ゲーム理論の枠組み、用語の解説をしてきました。

この記事で紹介した話はゲーム理論の基本的な内容になります。ゲーム理論について少しでもイメージが深まったならばうれしい限りです。

意外と「協力ゲーム」「非協力ゲーム」「完備情報ゲーム」「不完備情報ゲーム」って分け方をしないで、有名な話を個別に紹介することが多いので、全体像をちゃんと把握できるように構成したつもりです。

 

他にもゲーム理論について知りたくなったら、こちらの記事を読んでみてください!

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