行動経済学

パチンコは「プロスペクト理論」を一番うまく応用している

2019年7月13日

どうしてパチンコにハマる人がいるのか?

その理由はプロスペクト理論から見れば一目瞭然。

パチンコと行動経済学で登場するプロスペクト理論の関係を解説!

パチンコとプロスペクト理論

 

世の中のおじさんが遊んでいるイメージがある「パチンコ」

 

一方で

女性

パチンコにハマる理由がわからない。

 

パチンコをしない人から見れば、のめり込む理由が分からないものです。

 

ポイント

しかし、行動経済学で登場するプロスペクト理論を使えば、パチンコにハマる理由が凄く分かります。

パチンコにハマる3つのポイントを、プロスペクト理論で解説していきます。

2002年にノーベル経済学賞を受賞したダニエルカーネマン教授が提唱した理論。ギャンブルで失敗する原因が分かる理論として有名

 

パチンコにハマる原因

  • 激熱リーチの罠
  • 確率60%の罠
  • 基本的に負ける罠

 

北国宗太郎
北国宗太郎
さっそく、順番に解説をお願いします。
これを読めば、何故パチンコにハマるのかが分かります。
牛さん
牛さん

 

激熱リーチの罠

 

パチンコにハマる原因の1つが「激熱リーチの罠(煽り)」です。

よく「このリーチが出れば信頼度50%で激熱!」みたいな演出があります。こうした演出がパチンコにハマる原因の1つです。

 

というもの、人の脳には「報酬を想像しただけでドーパミンが出る(興奮する)」という性質があります。

例えば

  • 好きなことデートできるかもしれない!
  • 宝くじが当たるかもしれない!
  • 投資で株価が上がりそうだ!

みたいに、実現はしていないけど「もしかしたら!!」という気持ちになると、人は興奮します。

 

ココがポイント

つまり、激熱リーチの演出をある程度の頻度で出せば、当たろうが外れようが、遊んでいる人の脳は興奮するのです。

 

この脳の興奮が、パチンコにハマる原因の1つとなります。

ここまでは脳の仕組みの話ですが、更にプロスペクト理論で付け加えます。

 

人は損が嫌い

 

人は利益を得る喜びよりも、損する苦痛の方が2倍以上強い」ことが分かっています。

こうした心理現象から、人は損している状態を積極的に避けようとする傾向があります (プロスペクト理論では「損失回避性」と呼んでいます)。

 

パチンコを始めると、1,000円・5,000円・1万円とお金を使っていきますよね?

これは負けているのと同じ状態で、この分を取り返そうとする心理が働きます。

 

パチンコユーザー

負けている状態は嫌だ、使ったお金を取り返そう

 

そんな状態の時に「当たるかもしれない激熱リーチの演出」が来ます。

 

パチンコユーザー

(脳内)「うおおおおおおおおお」

 

「損している状態を回避できるかもしれない!」

こうして、大当たりを期待する脳内では大量のドーパミンが出るのです。

 

北国宗太郎
北国宗太郎
パチンコにハマるのが分かる気がする
癖になるよね・・。(経験者は語る)
牛さん
牛さん

 

確率60%の罠

 

最近のパチンコには、奇数の番号で大当たりをすると、次の大当たりも約束される設定があります (確率変動ありの機種)。

この確率が、大体60%以上になっています。

 

北国宗太郎
北国宗太郎
次の大当たりが約束されるってなんかお得だね
うん。でも、それもパチンコにハマる理由の1つなんだ
牛さん
牛さん

 

人は確率を正しく認識できない

 

人には「低い確率を高く評価して」「高い確率を低く評価する」心理が働きます。

 

例えば

確率が3%で1万円が当たると聞くと「なんだか当たりそう・・」と思えます。しかし、実際は100回中3回なので、そこまで高い確率ではありません。

 

逆に

確率80%で1万円が当たると聞く場合は「100%じゃないのか・・?」と80%の確率を低く評価する傾向があります。

 

このように人は確率を歪めて評価するのです。

 

プロスペクト理論では、この心の癖をグラフにまとめています。

 

 

簡単に解説すると「確率35%までは、人の評価の方が高くなる傾向」にあります。逆に「確率35%を超えると、人はその確率を低く評価する傾向」があります。

 

ここでグラフの30%~50%あたりに注目してください。

30~50%の確率を人が評価する時に「まあまあ」と考える傾向があります。

 

北国宗太郎
北国宗太郎
つまり「30%」も「50%」も似たようにしか感じないってことだね。
うん。更にその傾向が終るのは大体60%ってのがポイントだよ。
牛さん
牛さん

 

確率が60%を超えると人の心の中でも評価が上がっていきます。

 

パチンコユーザー

65%くらいなら、まあまあ良いかな

 

この心の現象を利用して、多くのパチンコ台は「奇数の番号で大当たりをすると、次の大当たりも約束される設定」で、その確率を60%以上としています

パチンコ台の機種設定が、人の心をとらえるように出来ているわけです。

基本的に負ける罠

 

北国宗太郎
北国宗太郎
牛さん、さっきから画像が同じ・・
さあ、最後に重要なポイントを見ていこう!
牛さん
牛さん

 

パチンコ屋さんも商売です。

なので、パチンコは遊んでいる人が大体負けるようになっています

 

ここで重要なことがあります

大体負けるのですから、遊んでいる人の多くは「損している」状態です。

そんな状態でパチンコの遊戯を終えると、どうなるでしょうか・・?

 

パチンコユーザー

くそ~、次こそ負けを取り返してやる。

 

北国宗太郎
北国宗太郎
あ~、最初の方で見たことがある。
最初に紹介した「損失回避性」が関係しているよ。
牛さん
牛さん

 

最初に紹介した通り、人は損している状態が嫌いな生き物です。

つまり、損をした状態でパチンコを終える人は「損した状態を逃れようとリベンジ」を考えます。

 

北国宗太郎
北国宗太郎
パチンコって止められなくなるね。。
うん。(経験者は語る)
牛さん
牛さん

 

ちなみに、損が拡大していくと感覚が鈍くなっていきます。

プロスペクト理論では「人の感覚は慣れていく」と考えています (感応度逓減性・かんのうどていげんせい)。

 

何度も1万円負けていくうちに、感覚が慣れてしまって次第に何も感じなくなります

そして「負けるのが嫌だからパチンコに行くのはやめよう」という考えも消えていきます。

だって慣れるのですから。

 

そう考えると、パチンコって良くできていますよね?ちなみに、プロスペクト理論を使えばギャンブル全般で失敗する理由なんかも分かって面白いです。

興味があればぜひ読んでみてください!

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