ビジネス・経済 経済学

アダム・スミス『国富論』経済学の父から学ぶビジネスの本質

2018年11月23日

近代経済学の父である「アダム・スミス」

彼はもともと道徳哲学者で、独自の視点を持って経済というものをとらえていました。

そんな彼の考えは、今でも役に立つ示唆(しさ)でいっぱい!

経済・ビジネスの本質を学びましょう!

アダム・スミスとは?

Adam Smith (16 June 1723 - 17 July 1790 ) was a Scottish economist, philosopher and author as well as a moral philosopher, a pioneer of political economy.
Original edition from my own archives
Source : Illustriertes Konversations Lexikon 1878

 

1723年、スコットランドで生まれます (今のイギリス)。

当時のイギリスといえば、1707年にイングランドとスコットランドが合同したばかり!(現在のイギリス(英国)という形の元となる合同が行われた)

 

近代的で経済的にどんどん発展する中で、アダム・スミスは育ったのです。

 

その後、大学に進学したアダム・スミスは、大きな出会いを果たします。

 

恩師との出会い

当時の道徳哲学の教授(ハチスン)との出会いです。アダム・スミスはその教授からこんな教えの影響を受けます。

人は、道徳感覚を持っているので、秩序のある社会を作れる

 

この考えは、アダム・スミスの考えの根本となりました。

アダム・スミスは経済学の父と言われていますが、もともと道徳哲学の専門です。法律とはどうあるべきか、社会・経済とはどうあるべきか、など色々と考えていました。

 

そして1759年、彼が有名になるきっかけとなった本が出版されます。

 

北国宗太郎
ついに経済の分野で有名になる時が・・

 

1759年「道徳感情論」を出版します。

 

北国宗太郎
経済の本じゃないんだ・・
大丈夫、経済の本はこれから17年後に出版されたよ
牛さん

 

参考

「道徳感情論」は超有名な本で、人が「同感(何かに共感する)」といった感情を扱っています。現在の脳科学でも証明されている話が含まれており、大学などではよく登場します。

 

ついに・・1776年

アダム・スミスが経済学の父と言われるきっかけとなった本が出版されます (高校の経済の教科書に登場する本)。

その名も「国富(こくふ)論

 

この本の中で登場する超有名な台詞があります。

(神の)見えざる手

 

高校の経済学では「需要と供給が「(神の)見えざる手」に導かれるように、適当なところに収まって、効率的な経済状況になる」という風にならいます。

 

北国宗太郎
かっこいい。
実はこの本はそんなことを言うために書いたんじゃないんだよ。
牛さん

 

ここに注意

この本ですが、話のメインは当時話題になっていたアメリカの独立問題とイギリス(重商主義)への批判です。

1776年はアメリカ独立の年で、その機運に合わせて出版されました。

 

北国宗太郎
高校で習う話とちょっと違う
教える人の器量で大事なことがすっ飛ばされることもあるから注意してね
牛さん

 

ココに注意

「国富論 (諸国民の富)」は「国の富(豊かさ)とは何なのか?」という話をして、イギリスがアメリカを植民地としている事に対して「そんなことは本当の豊かさには繋がらない」という話をしています。

「そもそも国の富(経済)というのは~」という話が、すごく重要なことを言っているので、アダム・スミスは経済学の父と言われるようになりました。

 

北国宗太郎
この話が、ビジネスでも使えるの?
うん、さっそく見ていこう!
牛さん

 

「国富論」にはビジネスの本質が詰まっている

「国富論」は経済の本質を突いた話が登場しますが、今回は3つ紹介!

この話はビジネスにも応用できるので是非知ってくださいね!

 

①「分業」~ピンの生産

 

アダム・スミスの「国富論 (諸国民の民)」で一番有名な話が「ピンの生産」です。

 

ざっくりと説明します。

1人でピンを作ろうとすると、1日に1本も出来ない。

しかし、10の製造工程(各工程に1人を配置)に分かれた工場で生産すれば、1日で4万8000本作れる

 

北国宗太郎
おお・・凄い。

 

ココがポイント

1人で全部をやらずに、みんなで分業した方が遥かに生産性が上がる

 

アダム・スミスは「分業」の重要性を説いています。

色々と仕事をまたぐと、無駄が生まれたりするので、ある程度特化して仕事をしたほうが効率的という話です。

 

分業のメリット

  • 無駄を省くことができて生産性が上がる
  • 1つの仕事に専念できると、知識や技術が深まる

 

仕事で「残業が多いけど、どうすれば減らせるか?」「もっと効率的にならないかな?」とか考えている人がいたら「分業」を思い出してください。

仕事を変にまたがって行っていませんか?

その仕事は他のチームに集約しなくて大丈夫ですか?

 

ポイント

「色々な仕事をまたがってした方が知見が広がる」などと言って無駄を生んでいませんか?それ、本当に視野が広がっているんですか?

一つ一つに問いかけをして「上手く分業体制を築けないか?」を考え続けることが重要です。

 

ただし、分業を究極に進めると「工場でネジを締めるだけの仕事」をするとかに繋がってしまいます。働いている人のモチベーションが下がらない程度に分業を進めるのがポイントです。

 

②「新技術や良いアイディア」~分業の結果

 

仕事で「良いアイディアないかな~」と悩んだりする人もいるかもしれません。

アダム・スミスは、ここでも重要な話をしています。

 

新しい技術(や新しいアイディア)を思いつくのは、分業をした結果、1つのことに集中することができたから。

 

ココがポイント

分業をして特定の仕事を深くこなしていくと、結果として新しいアイディアが生まれる可能性が高まる。新しいアイディアなどは積み重ねが重要

 

まとめると・・

「新しいものというのは突然思いついたりする」というよりは「その仕事を深くこなして、積み重なっていった結果生まれる」とアダム・スミスは考えました。

分業をして、特定の仕事に集中できる環境を作ること」が新しいアイディアが生まれやすくなる秘訣というわけです。

 

ここでも注意ですが、自分とはかけ離れた知識や技術から良いアイディアを思いついたりすることもあります。自分の仕事をある程度深くこなし、全く知らない事へも目を向けることが重要です。

 

③「モノを売るために」~肉屋

 

最後はビジネスでは最も重要な「どうやって商品を売るのか」という話です。

「国富論」ではよく登場するお肉屋&パン屋の話を見てみましょう!

人はつねに仲間の助けを必要としている。

(略)しかし、仲間の慈悲の心から助けを期待しても無駄である。

私たちが食べることが出来るのは、肉屋やパン屋の慈悲ではなく、彼らの利害関心からだ。

おなかが減ったならば「私は食事が必要です、助けてください・・」と訴えるのではなく、「私に肉やパンを売ってください、あなたの利益になります」と訴えるのである。

 

アダム・スミスが「分業」の話をしている時に登場した話です。

分業を進めると、それぞれが得意な分野で商品やサービスが生まれます。次第に、相手の生産物と自分の生産物(又はお金)を交換するようになるけど、その時にタダでくださいと言ってもダメ、という話です。

 

北国宗太郎
これはすごく重要な気がする

 

「この商品を買ってください」と言われても誰も買いたいと思わないでしょう。しかし、その商品を買うと自分にメリットがあると感じれば購入に至ります

 

モノやサービスを売るために、その商品のメリットをちゃんとお客さんへ理解してもらえていますか?

お客さんは、慈悲の心で商品を買ってくれることはほとんどありません。自分にメリットがあるかどうかだけが重要です。

 

ココがポイント

「その商品を買ったら、お客さんにはどんなメリットがあるのか」。そのメリットをどう上手く感じさせるか?それが重要。やみくもに売っても売れません。

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ビジネスと道徳観

ここまで色々と話してきましたが、経済やビジネスの本質を突いた話ばかりです。

 

北国宗太郎
道徳専門なのに「相手の慈悲に期待しても無駄」とか言ってたね。
アダム・スミスは、道徳の話を忘れてないよ
牛さん

 

分業をして、商品を売って、金もうけをする。

まるで「金儲けが全て」と勘違いしそうですが、アダム・スミスはそうは考えていません。

人には道徳哲学があるので、ずるはしない(出来ない)のです。

 

人々の経済活動の中には道徳が働いており、「自分の利益を追求すること」と「道徳・倫理観」はバランスを保っています

 

重要

ビジネスの世界では「相手の欲望にどうやって火をつけるのか?」という面が凄く重要です。

その結果、相手が満足するような商品やサービスを提供できたなら、それは素晴らしい商売でしょう。

 

しかし、ブレーキの踏み方(道徳観)は忘れてはいけません。「どこまでやったらダメなのか?」「これはやってはいけない」などの倫理観こそ重要なポイントです。

ブレーキの踏み方を知らないと、市場経済から退場を余儀なくされます。

 

「ビジネス(経済)の本質」と「道徳観の重要性」を18世紀に理解していたアダム・スミスは、まさに近代経済学の父という名前にふさわしい人物でしたね!

というわけで今日は以上!
それでは!

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