ミクロ経済学

【プライステイカー・価格受容者】プライスメーカーとの違い

2020年4月30日

 

プライステイカー(価格受容者)

プライステイカーとは

完全競争市場で生産物を供給している売り手のこと。完全競争市場では、売り手は市場で定まった価格を受け入れることしかできないためプライステイカー(価格受容者)と呼ばれている。

※「プライステーカー」と記載することもある。

 

北国宗太郎
北国宗太郎
牛さん、どうして市場で決まった価格を受け入れるの?
完全競争市場には、ライバル企業がたくさんいるのがポイントだよ。
牛さん
牛さん

 

完全競争市場

例えば

  • カップ麺市場を考える

カップ麺市場は、多数の企業が参入している競争市場です。

※完ぺきな完全競争市場とは言えませんが、現在ではコンビニなども自社製のカップ麺を投入していることから、ここでは完全競争市場だとして話を進めます。

 

ここで、どの企業から発売されているカップ麺も、値段が1個当たり100円~200円程度になっていることに注目します。

 

ポイント

カップ麺の価格帯である100円~200円は、原材料・加工・輸送費など、あらゆる製造費用が考慮されて、企業が利益を享受できるギリギリの価格帯となっています。

また、独占市場とは異なりライバル企業がいるため安易に値上げすることがも出来ません

 

つまり、100円~200円という価格帯は、市場の原理によって辿り着いた市場価格と考えることが出来ます。

日清はライバル企業がいるため値上げできません。かと言って、値下げすると利益が出なくなります。⇒要するに、日清は市場価格を受け入れるしかないと言えます。

 

完全競争市場では価格が先

 

カップ麺の例から分かる通り、完全競争市場では「市場価格」を企業が受け入れます

 

ココがポイント

「企業が生産量(供給量)を増やす⇒価格が安くなる」ではなく、市場価格をもとに企業は生産活動を行っているので「市場価格企業がそれを受け入れて生産活動を行う」が正しい。

 

グラフでは見ると

「縦軸→横軸」と見るのが正しい

 

以上の話から

完全競争市場では、売り手(企業)は市場価格を受け入れるため「価格受容者=プライステイカー」と呼ばれます。

ちなみにですが、試験問題では「プライステイカーである企業が~」などと表記されていれば、その市場が完全競争市場だと判断できます。

プライスメーカー(価格設定者)

プライスメーカーとは

不完全競争市場(独占市場など)で生産物を供給している売り手のこと。独占市場では、売り手は製品の供給量をコントロールして価格を操作することができるためプライスメーカー(価格設定者)と呼ばれている。

「プライスメイカー」と記載することもある。

 

例えば

  • 電力会社

日本の電力会社は、地域ごとに独占状態が続いています。

北海道電力・東北電力・東京電力・北陸電力・中部電力・関西電力・中国電力・四国電力・九州電力・沖縄電力

 

電力会社にはどんな特徴があるでしょうか?

 

はじめに

  • 各電力会社は、発電量をコントロールしている

技術的な問題もあり、安定的な電力提供のために発電量がコントロールされています。

 

不完全競争市場では供給が先

 

不完全競争市場では、ライバル企業がいないため企業に都合がいい供給量を設定して価格を決められます

 

ココがポイント

不完全競争市場では、企業は自社にとって都合がいい生産活動を行って価格設定をする。つまり「供給量をコントロール価格に影響を与えている」と言えます。

 

以上の話から

完全競争市場とは異なり、売り手(企業)は供給量をコントロールして価格決定に影響力を持っているため、不完全競争市場の売り手を「価格決定者=プライスメーカー」と呼んでいます。

電力会社は「燃料費が高騰したので値上げします」と比較的簡単に値上げすることが出来ることを考えると、イメージしやすいです。

 

北国宗太郎
北国宗太郎
プライステイカー・プライスメーカーの違いが分かると勉強がはかどる。
うん。ミクロ経済学では2つの違いを知っている前提で話が進むからしっかりと押さえよう!
牛さん
牛さん

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