企業が生産活動を行うときに必要となる「生産要素」
- 生産要素とは?
- 生産の三要素
- 土地・労働・資本の関係など
生産者理論の基礎となる項目を分かりやすくまとめました。
生産要素とは?
生産要素
生産物(財・サービス)の生産のために使われる資源のこと。
ミクロ経済学で生産要素という場合、大きく労働・土地・資本の3つを指し、この3つを「生産の三要素(生産用役)」と呼ぶこともある。
生産要素は、企業の経済活動を分析していく上での出発点です。
企業の経済活動は、次のような流れになっている
[生産要素]を売買する
⇩
[生産物(商品・サービス)]を生産する
⇩
[市場で売出す]
生産要素を取引する市場は「生産要素市場」と呼びます。「土地市場」「労働市場」「資本市場」のように、生産要素を取引する市場が当てはまります。
確認する
生産要素は大きく2つに分けられます。
ポイント
生産要素は「本源的生産要素」と「生産された生産要素」の2つに分けれられる。
本源的生産要素
「土地・労働」は、商品やサービスを作るうえで最初に投入される生産要素です。
どんな商品・サービスも、誰かの労働力がないと生み出されないので、「労働」が本源的生産要素と言われるのはイメージし易いかと思います。
一方で
土地が”本源的”と言われるのは違和感があるかもしれません。
今の時代では、ネットサービスなどの目に見えないサービスがたくさんあります。なので、土地が本源的生産要素と言われてもピンと来ない人も多いです。(特に若い人は)
たしかに消費者がサービスを利用するときは土地は不要です。
しかし
企業側の目線で考えると話が変わります。
サービスを運営するために会社が必要です。みんなが仕事をする場所(土地)が必要ですし、サービスを維持するために機材を設置する場所(土地)が必要です。
生産された生産要素
「資本」は、土地や労働とは違った性質があります
先ほどのネットサービスで考えてみましょう。
土地の説明で「みんなが仕事をする場所(土地)が必要ですし、サービスを維持するために機材を設置する場所(土地)が必要」と書きました。
ポイント
仕事をする場所は、基本的に(土地の上に作られた)建物です。この「建物」も資本にあたりますし「機材」も資本にあたります。
ここで注目したいのが「建物」や「機材」が他の人が作った生産物であることです。
つまり「資本」は「誰かの労働や土地などを利用して作られた生産要素」ということになります。
ここまで「建物」や「機材」などの生産手段を資本として紹介してきましたが、貨幣(お金)も資本に含まれます。(当たり前ですが、お金があれば、建物や機材を買えるだけではなく土地や労働力も買えます。)
一見すると貨幣(お金)も本源的生産要素と思えますが、お金も誰かによって生み出されたものになります。
例えば
株式投資でお金を稼いでいたとします。
株価の変きは、その会社の業績が影響しますが、その業績は「誰かの労働」によって支えられています。
つまり
貨幣(お金)も、本質的には土地や誰かの労働によって生み出されています。そういった意味で、貨幣(お金)も「生産された生産要素」と言えるのです。
生産要素の関係図
最後に、3つの生産要素「土地・労働・資本」の関係を見ていきます。
まず
企業は生産要素市場で「土地・労働・資本」を入手します。
企業は土地や労働力などの本源的生産要素を活かすために、建物や機材などの資本(生産された生産要素)を使って、商品やサービスを生み出します。
ポイント
「資本」は「土地・労働」を結び付ける性質があるわけです。
所有者
「土地・労働・資本」は、それぞれの所有者には呼び方があります。
- 土地の所有者=地主
- 労働の所有者=労働者
- 資本の所有者=資本家
生み出されるお金
「土地・労働・資本」から発生するお金にも呼び方があります。
- 土地=地代
- 労働=賃金
- 資本=利子
土地を貸せば地代を貰えます。借りる方は地代を支払います。働けば賃金が貰えます。人を雇うと賃金を支払います。資本(お金)を貸せば利子が貰えます。逆にお金を借りると利子を支払います。