消費税の軽減税率が導入されますが、全く効果がない施策です。
全く効果がないどころか悪法なんですが、あまり表だってそういった話は出てきません。
よくある反対という意見には「軽減税率で得をするのは低所得者ではなく高所得者」という意見があります。
この意見はたしかにそうですが、私が軽減税率に反対する理由は「国の市場経済が歪むから」です。
その辺のところを詳しく話していきます!
軽減税率とは?どうして議論になった?
(酒・嗜好品を除く)「食料品」や「教育費」その他「生活に最低限必要なもの」には消費税を軽減(ないし非課税)とすることで、標準の税率よりも低く抑えた税率のこと。
Wikipediaより(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BB%BD%E6%B8%9B%E7%A8%8E%E7%8E%87)
日本である話は「生活必需品は8%にして、他の商品は10%の消費税にしよう!」という話です。
そもそも軽減税率を導入しようという話になったのは「増税すると生活が圧迫される人がいるので何とかしないと・・」という話からでした。
そこで何故か公明党が「軽減税率を導入しよう!」と言い始めました。
政治家は基本的に経済音痴が半数以上を占めているので仕方がない事かもしれませんが、一度言っちゃったら最後です。
こうして日本は消費税の軽減税率の導入に向けて動き出したのです。
ちなみに1989年(平成元年)までの日本では商品ごとに消費税率を変えていたんですよ(軽自動車は15%なのに普通自動車は23%など)。なので税率が商品によって変わる税制度は30年ぶりです。
軽減税率の問題点① 全く問題を解決していない
そもそもの話を思い出してほしいのですが、もともとの話は「増税で生活が苦しくなる人を助けたい」という話でした。
軽減税率が導入されると本当に、生活が苦しい人を助けられるのでしょうか?
具体例!
- 1カ月で10万円消費する人を例に考えてみましょう
仮に
この人が10万円全部を生活必需品を購入していたとしたら、消費税が8%かかります。
10万円×8%=8,000円 の消費税がかかります。
次に
この人がぜいたく品しか購入しなかったら、消費税は10%!
10万円×10%=10,000円の消費税がかかります。
10万円の内訳!
食費=2万円 (1日660円)
家賃=4万円
水道光熱通信=1万円
交通費交際費等=1万円
その他=2万円
それでは、仮に軽減税率で消費税10%⇒消費税8%になったとしたら、この人はどれくらい得をするでしょうか?
- 8%の時:8,000円
- 10%の時:10,000円
差額2,000円!
この2,000円をどう捉えるのかは個人の自由ですが、私はこう思っています。
生活に困っている人は2,000円あればその苦しさから解放されるんでしょうか?全く解決になってないのでは?
そしてこの2,000円を還元するのに、日本にあるすべての商品を生活必需品なのか贅沢品なのかを考えなければいけません。
なので私はこう考えています。
2,000円とか3,000円給付すれば済む話じゃない・・?
この辺の手間が掛かるのは仕方がないといえばそうかもしれませんが、それよりも私が問題にしているのが次のポイント。ここからが本題です。
「軽減税率により経済がゆがむ」という話をしていきます。
軽減税率の問題点② 経済がゆがむ
軽減税率の問題点でよく上がるのが「低所得者への救済になっていない」という点ですが、私がそれよりも問題にしているのがこの話です。
順番に話していきます。
まず、軽減税率を導入すると企業はどう思いますか?
価格を下げたり、商品を小さくしたり・・・(ロビー活動・・?)
軽減税率の負の側面
そうなんです、軽減税率の一番の問題点がこれです。
一部の企業が、国へロビー活動を始めます。
〇〇株式会社の人
うちの商品を生活必需品として扱ってくれませんかね・・?
政治家
う~ん、生活必需品!(見返りが楽しみ・・)
こうして生まれるのが「癒着(ゆちゃく)」「利権」です。
ポイント
軽減税率を導入すると、政治経済が利権の温床となって腐っていく。
まあ、政治なんて汚いもんだよ。そう言われるとそうかもしれませんが、この問題は日本経済をゆがめていきます。
次に消費者の行動を考えてみましょう。
トイレットペーパーの例
- シングルのトイレットペーパーは、ロビー活動のおかげで生活必需品として認定
一方で、ロビー活動をしなかったダブルのトイレットペーパーは贅沢品になりました。
- シングル:108円(税込み)
- ダブル:110円(税込み)
買い物をする主婦
あれ、シングルは消費税が8%。シングルを買おう。
もともとは、シングルもダブルも同じ価格で、消費税も同じだけ掛かっていました。
しかし、シングルだけ政治家に訴えかけて消費税を8%にしてもらったため、消費者がダブルから流れてきています。
この瞬間、経済がゆがんだことになります
この主婦がもともとダブルを買おうとしていたのに、自分の好みを変えて、消費税が安い(8%)シングルを購入しました。
この消費者の行動を捻じ曲げただけではなく、ダブルのトイレットペーパーを作っている会社も打撃を受けます。
大問題!
本当なら、ダブルのトイレットペーパーの方がみんな好きなのに、何故かシングルが売れてしまう。そのうちダブルのトイレットペーパーを作る会社が消えていきます。
ココがダメ
軽減税率が適用されなかった商品が圧倒的に不利になる。
既に腐敗が始まっている
消費税の軽減税率が適用される商品が色々と話題になっていますが、その中に明らかにへんなモノが入っていることことに気が付いた人もいるでしょう。
新聞です。
この話を本当にまじめに考えてもらえれば分かるんですが、どう考えても新聞が生活必需品というのはおかしいです。
新聞が生活必需品なら、皆さんのスマホや通信費こそ生活必需品ではないですか?
ニュース番組等
持帰りは軽減税率の対象、店内で食べると対象外って分かりづらいですね(笑)
素敵なことに、日本国内のニュースではこの有様です。
余談~!
ちなみに私が許せないのは、麻生大臣が軽減税率に微妙に反対したときの周りの反応です。
麻生大臣は過去にこんなことを言っています。
複数の税率(軽減税率)を入れるのは面倒くさい
高額所得者にも恩恵。いかがなものか…
マスコミ
面倒くさいとは何なんだ!財務省の犬!
この場合、麻生大臣が財務省の犬でも良くて、軽減税率が面倒くさいというのは事実です。
考えてみてください。軽減税率によって、どれくらいの効果があるのか・どれくらいの費用が掛かるのか。
まったく効果のない政策に、莫大な費用を労力を掛けようとしているんですよ。そこを批判しないで、そんなどうでもいい言葉尻を追っかけていていいんですか?
この法案に関わる多くの人々は「これは生活必需品、これは違う」という極めて無駄な仕事をしています。
国会では「これは生活必需品じゃなくていいんですか?」などの生産性もない議論で時間が使われています。
私は、この現状に対しては文句なしで疑問ばかりが浮かびます。皆さんは、本質を見失わないようにしてくださいね。
消費税の軽減税率の総括!私たちはどうする?
消費税の軽減税率が悪法という話をしてきました。
どうでしたか?想像以上に効果がないを通り越してヤバい税制度なのが分かるかと思います。
ちなみに「ヨーロッパでは軽減税率が導入されていて~」という話を持ち合いに出す人がいますが、既にヨーロッパでは軽減税率を廃止にしたほうが良いという議論が始まっています。
国の政策に無駄が多くて、効果があまりないというのは良くある話なので、特に驚くことではありません。
しかし、軽減税率はまず過ぎます。(いざ始まると、不便すぎて反対の声が高まる事は眼に見えています。)
最後に
最後にですが、私たちはどうすれば良いのかを簡単に話しておきます!
前回の増税で景気が寒くなったので、国はすごく力を入れて対策をしてきます。
クレジットカード決済でポイント還元・商品券などなど。
便乗してお得に買い物をしましょう!
軽減税率がダメな政策というのは事実ですが、私たちが出来るのは、上手く得をするように動くことです。
軽減税率が悪法でも、どうにもなりませんので、ひねくれずに素直に得するように行動するのが大事になってきます。
是非、ニュースなどをチェックして、お得に買い物ができるルートを探してくださいね!