何学部に進学すればいいの・・?
経済学部へ進学しようと思っているんだけど・・
漠然と「経済学部なら潰しが利く」てきなことを言われていますが本当か、経験則から簡単解説!
経済学部であるメリット
大学の経済学部を卒業すると、何か得をするのでしょうか?
はるか昔に経済学部を卒業した私が感じたことをもとに書いていきます。
世間の人が色々と言っていますが、あくまで私の主観と経験から書いていきます。
皆さんは大学を卒業すると、多くの人が会社に就職して働くことになるかと思います。
とくに、どの学部なら就職に有利なのか?ということを考える人も多いです。
① 就職の有利不利について
就職に関しては、経済学部は就職に有利にも不利にもならない「潰しが利く」学部だと私は考えています。
ここに注目
よく、大学の学部で就職に有利不利が決まるのではないかと考える人がいますが、そんなことはありません。
日本の企業の場合
- 卒業した大学のレベル
- 文系かその他の専門学部(理系含む)
この2点の方が遥かに重要です。
誤解を恐れずに言うと、地方の大学を卒業するよりも東京大学を卒業したほうが官僚になれますし、エンジニアの職種なら理系卒のほうが有利です。
多くの人が勘違いしていますが、日本の文系学部で直接仕事に結びつくような勉強をしている人はほぼいません。
今需要のあるIT系の職種は、文系の学部ではなく理系学部の方が結びつきが強く、プログラマーなら工学部とかの方が好まれます。一方で営業職・事務職にはそこまでの専門性は不要のため、文系学部では大学の勉強内容が仕事に結びつくことは稀です。
一般の人
銀行・金融機関なら、経済学部の方が就職に有利そうだ。
今の時代だと人気がないかもしれませんが、金融機関などの就職では経済学部の方が有利そうに考える人もいますが、そんなことは皆無です。
基本的にどの学部からでも金融機関に就職している人はいますし、経済学部が特段有利とか言う話はありません。
ここに注意
現在、大学の文系学部を卒業する人の多くのは「総合職」として就職します。
総合職には高い専門性を求められていないことが多く、その人のぱっと見の人柄・能力・会社の事情で配属先が決まります。
つまり、文系の学部である以上、どの学部を卒業したかは重要視されていないのが日本の就職活動の特徴です。
会社で働くことを考えると、皆さんの多くはビジネス的な視点を持つことが求められます。
経済学部は、私たちが暮らしている経済を勉強するので、そうした視点に触れることが出来ます。
実際に、大手企業の経営者が卒業した学部を見ると、経済学部卒業の人はそれなりにいます。
ソフトバンクの孫正義(そん・まさよし)は、米バークレー大学の経済学部を卒業していますし、ファーストリテイリング(ユニクロ)の柳井正(やない・ただし)は早稲田の政治経済学部卒です。
ここにも注目
ビジネスの世界なので、当然数字はつきものです。
とくに、文学部の卒業だと、数字に触れる機会が皆無で、まったく仕事で数字を扱えないなんて話はよくあります。(←偏見で申し訳ないです。)
世間で言われている文学部系が就職不利という話はこうした理由からです。ただし個人差がありますし、文学部だから不利ってわけではありません。普段から数字などに触れる機会がない人が多いため、結果的にそうなってしまうのです。面接を担当する人は、いちいち「○○学部だから・・」とかは考えていません。
さらに・・
今や仕事でパソコンを使うなんて当たり前の時代です。
偏見的な話になってしまって申し訳ないのですが、経済学部とか経営学部とか数字に触れる機会がある人の方がパソコンなどの操作にも慣れている気がします。
数字を使える人と言うのは、PCなど機械の操作もそれなりに抵抗なく出来る人が多いイメージです。
ポイント
経済学部を卒業するメリットは、就職の有利不利というよりも、ビジネスで必要な素養の下地を作れること。
具体的には、数字を扱うことが多いので、数字でものごとを考える癖が付けれられる。
そうした思考(数学的・論理的な思考力)が、面接で評価されたりする場面があるので、経済学部が就職で有利などという話が出てくる。
ただし、経済学部自体に有利不利があるわけではないので注意。
ついでに
- 公務員試験にも経済学の問題が出る
私の時代なら高校を卒業して公務員になる人もいましたが、今の時代なら大学を卒業後に公務員になる人も多いでしょう。
公務員試験の問題には、ミクロ経済学やマクロ経済学の問題が出題されるので、経済学部はそうした面で有利に働くかもしれません。
② 普段の生活で役立つことについて
就職以外で経済学部を卒業することのメリットについても書いておきます。
経済学部である以上、金融などの知識も勉強できます。
注意ポイント
今の時代、金融の知識(マネーリテラシー)がない人は食い物にされるので、経済学部で勉強するのはメリットの1つと言えるでしょう。
例えば
みなさんはクレジットカードを持っていますか?
キャッシュレス社会が到来している中でクレジットカードなどを使う機会も増えていきます。
クレジットカードには「分割払い」や「リボ払い」について
分割払いは言葉の通りです。リボ払いは、毎月の支払額を一定にして、それ以上の支払いは全額先送りにするみたいなサービスです。
特に「リボ払い」は注意が必要です。
先送りした支払金額に利息が発生し続けるので、最終的に物凄い金額をクレジットカード会社に支払っていたなんてことは良くあります。
この「リボ払い」を安易に使ってはいけない事はイメージできると思います。
ココがポイント
これは利息の仕組みを知っていれば、安易に使おうと思う人はいないはずですが、その辺の知識がない人は「月額の支払いを一定にできます~!」というフレーズに乗せ得られてしまうのです。
日本人はとりわけ金融の知識がありません。
こうした無駄に損をしていることすら知らない人も多い中で、経済学部で基本的なマネーリテラシーを知っておく事は重要です。
ここにも注意
「リボ払い」は注意が必要ですが、普通に考えればクレジットカードを使うメリットは沢山あります。
私も紙の現金などは基本的には使いませんし、コンビニでもクレジットカードを使います。クレジットカードには、それぞれ利用に応じてメリットがあるのでお勧めです。
このように「どうすれば得をするのか損をするのか」という視点を持つためにも金融の知識は必須なのです。
他にも
社会人になってから株式投資を始める人も多い中、株式市場の基本的な知識を得ることもできます。
投資手法を勉強するとかではないのですが、基本的なマーケットの知識を勉強する機会に恵まれますので、そうした面でもメリットがあると言えます。
ここまで、経済学部であるメリットをまとめてきましたが、もちろんデメリットもあります。
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経済学部であるデメリット
経済学部は当たり障りのない学部である一方で、デメリットもあります。
経済学部について調べると、(頑張って)ポジティブなことを書いている人が多いですが、現実的に、そんなポジティブな学部でもありません。
①「経済学部」を勘違いしている人がいる
良くあるのは「経済学部=数字に強い」みたいなイメージです。
もちろん、普通の文系学部よりは数字を使う機会が多いですが、必ずしも数字に強いわけではありません。
そのあたり、謎の誤解を受ける可能性があります。
さきほどの就職に関係する話なら、経済学部を卒業しているので経理部署に回されるという都市伝説もあります。(←たぶん本当にある話です)
経理部署に回されて「経理も知らないのか?」的な感じになるようです。
しかし、経済学部は「経理の知識」を勉強する学部ではないので、知らないのは当然です。
他にも
投資とかが上手いと勘違いする人もいます。
経済学部を卒業している人=投資が上手いなら、みんな経済学部に入ります。
こんな感じで、経済学部を卒業すると、変な誤解を受ける可能性があるので注意が必要です。
ただし、これはどの学部にも言えることです。○○学部だから○○みたなことを思われたりします。行動経済学で登場する 代表性ヒューリスティック の一種です。
② 経済学の勉強に興味が持てない可能性
経済学部である一番のデメリットかもしれません。
経済学の内容に全然興味が持てない。
経済学は、大きく「ミクロ経済学」「マクロ経済学」という風に分かれます。
- 「ミクロ経済学」は企業や個人など、スケールが小さな経済活動を分析する分野
- 「マクロ経済学」は国・貿易など、スケールが大きな経済活動を分析する分野
大学に入って1年生(1回生)あたりは、どちらの分野も勉強します。
両方とも基礎となる分野なので、もれなく勉強する事になると思いますが・・。
つまらないと感じる場面がたくさんあります。
教える教授の力量にもよりますが、そもそも内容に興味を持てないケースです。
わたしの場合は、マクロ経済学に興味を持てませんした・・。いまでもその節があります。
具体的には・・
「マクロ経済学」では、GDPや貿易収支の話とかが出てくるのですが、そこまで面白いと感じる内容ではありません。(あくまで私的には)
「ミクロ経済学」でも、需要曲線・供給曲線とかを使った話が多く、そこまで・・という感じです。需要供給の話は高校でも習ったことがあるのでは?(下のグラフ)
(https://ja.wikibooks.org/wiki 高等学校政治経済/経済/市場の機能と限界 より)
ココに注意
特に、最初の頃は基礎的なことが多く、昔の理論や古典的な話がばかリです。これを乗り越えると、発展する分野になるので、自分がすきな内容を勉強できる機会が増えます。
私は「行動経済学」という分野に巡り合えたので、大学後半の勉強はわりかし好きでした。
さて、こうしたデメリットは、経済学の内容に興味を持てない他にもあります。
人によっては、本当に数字を使うことが出来ない人もいます。そうした人にとっては、経済学部での勉強は本当に苦痛になるかもしれません。
特に
経済学部では、数式が登場する場面がよくあります。
とくに、他の文系学部と違って、一番特徴的なのが「微分」が登場することです。
これはミクロ経済学などで登場するのですが、問題を解く過程で、微分をしないと答えが出ないものがあります。
なので、出来れば「微分」をざっくりと理解できる程度で、数学への拒否反応がないのが好ましいです。
ただし
経済学は、ジャンルによって数学的なものあれば、歴史的なものもあります。
なので、最低限の数学さえできれば、あとは自分が苦手な分野を避けて勉強することも出来るでしょう。(もちろん大学によります)
ココがポイント
数学がそこまで出来ないけど大丈夫かな・・?と心配している人は、そこまで心配する必要はありません。大学でちゃんと勉強するつまりなら大丈夫です。
「一応大丈夫」と書いておきますが、本当に数学が出来ない人は困る場面が多々あるので、そこは忘れないでください。
経済学部であるデメリットは、他の学部でも同様なことが言えます。
さらに詳しく
法学部だけど法律の条文とか興味ない。文学部だけど本に興味がない。勉強する内容に興味が湧くかは、経済学部以外の全学部で言えることなので、特に注意が必要です。
数学が本当にダメじゃないか、他の学部で興味があるところはないか、その辺も考えて経済学部を選んでくださいね!
経済学部を選ぶときに気を付けること
ここまで、経済学部である「メリット・デメリット」を考えてきました。
ポイント
デメリットを無視するなら、文系学部の中では経済学部を選ぶことはそれなりに良いかな?と感じています。
ただし、デメリットが特に問題です。
- 勉強する内容に興味が持てない
- 数学が本当に出来ない
この2点は、経済学部で1番注意が必要なポイントです。
ここで個人的に、どの学部が良いかを考えるポイントを書いておきます。
高校生
どの学部にも興味がない。とりあえず将来のために大学を卒業したい。
そんな人で「経済学部」を候補としているなら、経済学部で良いかと思います。
「どの学部でも興味がない」時点で、どの学部に入っても勉強する内容に興味が持てないリスクが高く、経済学部でいいんじゃないかな?と考えています。
つぎは、こんなケース。
高校生
他に興味がある学部があるけど、将来を考えたら経済学部かな・・?
そんな人は、2つのケースが考えられます。
ポイントは、その「興味がある学部」というのは、どの程度の興味なのか。
絶対に「○○学部」が良いとかなら、その学部を選んだ方が良いです。
ココに注意
ただし、その興味がなんとなく、とかなら注意が必要です。なんとなく興味がある学部に入ったけど、想像と全然違ったとかはよくあるケースです。
いま想像している興味が、現実と乖離していないかをちゃんと調べてください。
それで、やっぱりなんか違うなと思ったら、経済学部を選ぶのもありです。
とりあえず、大学を卒業するにあたり、経済学部なら大きなデメリットはありません。就職でも不利になることはないでしょう。
この場合、勉強内容に興味が持てるかという問題が出てきますが、他に行きたい学部の候補が出てこないなら無難です。
「ベスト」だとは思いませんが、無難です。
大学の学部選びで人生を失敗したなんて話はあまり聞いたことがないので、ちゃんと調べて、自分に合ったところが、本当にメリットがあると言えるのかもしれませんね。